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八ヶ岳 富士見高原から西岳、編笠山

2023年09月13日 晴れ 単独

投稿日 2023年09月16

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八ヶ岳高原ラインの東沢大橋展望台からの眺め

右から赤岳、キレット、ツルネ、旭岳、権現岳、三ツ頭

八ヶ岳の南端は「編笠山」が釜無川に落ちて終わります。再び盛り上がればそこは南アルプスの一角です。その編笠山の横にある目立たない山が「西岳」です。八ヶ岳の主峰赤岳から縦走南下してきた人は、編笠山を最後に登って小淵沢へ下るため、ルートから外れている西岳に寄ることはあまりないでしょう。また、南端から登って北上する縦走の場合、西岳から登ると編笠山に登らずに縦走することになってしまいます。

そんなちょっと外れた位置にある西岳ですが、立場川側から登るルートと、「富士見高原」から登るルートがあります。今回は後者の富士見高原から西岳に登り、「青年小屋」から編笠山に登り、富士見高原に降りる周回ルートを歩いてみました。若い時のように縦走はできません(笑)。

富士見高原はゴルフコースがあるリゾート地ですが、登山目的でも使える駐車場があります。現地に行くと、「登山者はこちらに停めてください」と親切に書いてくれてます。駐車場からは舗装道路を少し歩くとゲートがあり、その奥に登山届のポストがある西岳・編笠山登山口があります。

緩やかに奥に向かう道。少し秋めいてきたこの日でも、道脇にさまざまな花が咲いていました。伐採のためか、治水工事のためか地図上の登山ルートが変更されていました。真っすぐ行けず、左から回り込むような感じになっていますが、上の「五叉路分岐」で正規ルートに合流します。ここで西岳と編笠山への道を分けます。左の西岳方面に入って、編笠山から右側の道を降りてくる予定です。

西岳への道は山地帯から亜高山帯へとほぼ真っすぐたんたんと登って行きます。不動清水の水をおいしくいただきました。この時季トリカブトが紫色の花を咲かせ始めたばかりでした。シラビソの樹林を登って行くと標高2138mの「小広場」に到着。尚も登るとシラビソの丈が低くなってきて、ガレの見晴らしのよい場所に出ます。ここで初めて隣の編笠山や、「権現岳」がお目見えです。

西岳の山頂は広く、編笠山を眺めながらゆっくりくつろげました。次の青年小屋まではあまり高度差が無く感じのよい道をルンルンで歩けます。途中のガレ沢の脇に水場(乙女の水)があります。水場から十分くらいで青年小屋に到着しました。

青年小屋のベンチで昼食をいただき、編笠山の登りにかかります。その登りの下半分は岩海となっています。編笠山から噴出した岩塊がごろごろ。ペンキの目印を目当てに岩の海を泳ぎます。岩海が終わるとハイマツの窪になります。振り向けば権現岳や「ギボシ」が立派です。編笠山の山頂も岩海になっています。眼下に釜無川の流れに沿って水田地帯、集落、諏訪湖。隣に西岳。北側に目をやると赤岳、中岳、阿弥陀岳が並び、その手前に権現岳やギボシ。雄大な眺めです。南アルプスは雲の中でした。

編笠山山頂から富士見高原へは、これまた岩海。高度差100mくらいの岩の海を泳ぎます。岩海が終わると樹林に入りますが、今度は露岩と木の根っこの急斜面。八ヶ岳らしい苔むした樹林です。やがて針葉樹の中に点々と広葉樹がまざるようになり、さらに下ると広葉樹が優勢になってきます。「盃流し」はガレた枯れ沢を渡る地点のことをいうようです。さらに下って林道二本をやり過ぎると五叉路分岐に戻りました。富士見高原を朝6時過ぎに登り始めて、戻ったのが4時過ぎ。12.8km 10時間の山旅でした。

​富士見高原から青年小屋までの道を考えてみると、今回下山に使った編笠山経由の道は編笠山山頂部の北面と南面に岩海があります。岩海は車ほどもある大きな岩がゴロゴロ。ぴょんぴょん飛んで渡っていくようなところです。これに対して、西岳経由の道は、岩海は無く、普通の樹林の道です。想像するに、今はヘリで荷揚げするでしょうが、歩荷が荷揚げしていたときには、西岳経由が利用されたのではないでしょうか。そんなことを考えながら、意外と晴れた八ヶ岳を楽しんだ一日でした。

長野県諏訪郡富士見町

八ヶ岳 富士見高原から西岳、編笠山周回

赤実線:GPS歩行軌跡
(国土地理院電子国土地図に情報追加)

 

 

主な通過時刻:()は起点からの距離、区間距離、標高(山頂以外はGPS測位)

富士見高原駐車場 6:15 (起点 1343m)

登山口(登山届ポスト) 6:24

五叉路分岐 6:56

不動清水 7:05

小広場 9:13 (4.2km 4.2km 2138m)

西岳山頂 10:03 (4.8km 0.6km 2398m)

水場(乙女の水) 11:09

青年小屋 11:17 (昼食) (6.8km 2.0km 2389m)

編笠山山頂 12:16 (7.3km 0.5km 2524m)

岩海下(樹林帯入口) 13:00

盃流し 15:30

五叉路分岐 15:42

富士見高原駐車場 16:12 (12.8km 5.5km 1343m)

総歩行距離 12.8km
所要時間 10時間

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富士見高原にある登山者用駐車場

​登山者への配慮はとてもうれしい

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駐車場から舗装道を少し歩くとゲートがありその奥に登山口がある

​登山届ポストがある

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五叉路分岐

登山口二本と林道三本が交差する

​左が西岳へ。右は盃流しから編笠山へ

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不動清水

近くにトイレがあるようだが、古く暗そうなので使う気になれなかった

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小広場

標高 2138m シラビソ樹林の小平地

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西岳山頂に近いガレ場より

右 編笠山、左 ギボシ

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西岳山頂

標高 2398m

​マツムシソウが咲いていた

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西岳付近から眺めるギボシ、ノロシバ

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乙女の水

青年小屋の水場となっている

​青年小屋まで10分程度

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青年小屋とテント場

背後は編笠山と岩海

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編笠山への登り途中(岩海の上)から

手前に岩海、青年小屋

​背後に権現岳、ギボシ

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編笠山山頂から西岳

編笠山山頂から権現岳(右)

​奥に赤岳、中岳、阿弥陀岳

編笠山山頂から富士見高原への登山道を見下ろす

下に延びている尾根を下って行く

​樹林帯にはいるまで手前の岩海を泳ぐ

盃流し

通過後に写す

編笠山からの道は盃流しでガレ沢を渡る

​このときは水の流れは無かった

(雅熊)

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