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霧積から鼻曲山と留夫山

2021年11月14日 晴れ 3名

投稿日 2021年11月17日

1000m以上の山ではすでに紅葉のシーズンは終わっている頃ですが、それでもアプローチでの紅葉をちょっぴり期待して、今回は鼻曲山(はなまがりやま)に出かけました。

 

この山はちょっと地味ですが、面白いその名前だけは通っていて有名です。それはこの山懐にある霧積温泉と森村誠一の「人間の証明」の舞台になったからかもしれません。

 

母さん、僕のあの帽子、どうしたんでせうね。

ええ、夏、碓氷から霧積へゆくみちで、谷底へ落としたあの麦わらぼうしですよ。

 

関東に居れば一度は登ってみたくなる山ですが、若い時登ってそれっきりになる山でもあるようで、今回登った3人にとっても、忘れるほど前に登った山でした。ただ、やはり印象深いのは山奥にポツンと在る温泉。水車の回るその温泉は忘れられるものではないようです。

今回は現在旧信越線が碓氷峠を越えなくなって終点駅になってしまった横川駅の前から、霧積川沿いに細い林道を山深く入って行きます。林道周辺はまだ紅葉が残っていました。ようやくたどり着いた霧積温泉。「きりづみ館」の跡地を利用した駐車スペースをお借りしました。昔泊まった「きりづみ館」ですが、2012年に閉館となったようで、いまではその名残の朽ちかけた水車しかありません。天井の高い風呂で、六角形の木枠の風呂はよい雰囲気でしたが残念です。ホイホイ坂を登った上の「金湯館」は今でも健在なのはうれしい限りです。

ルートはオーソドックスな十六曲峠手前から尾根伝いに県界稜線に出るルートです。冬枯れで、もうすっかり葉を落とした雑木の山肌を登ります。やがて特徴的な鼻の形をしたピークが現れます。私はどうみても曲がっていない立派な鼻に見えるのですが。実際はピークが2つあって、それぞれ「大天狗」「小天狗」と呼ばれています。ルート中には「霧積ノゾキ」という崩壊地があります。よくみると本当に霧積温泉金湯館の赤い屋根が見えています。

 

そのほかはロープのかかった急傾斜のところがありますが注意しながら通過すれば問題はありません。稜線に出る直前の「天狗坂」が少々危険ながら最も面白いところでしょうか。「天狗坂」を登り終えれば稜線です。そこは鼻曲山と留夫山(とめぶやま)との分岐です。

鼻曲山のピークの直前も滑りやすい笹交じりの斜面ですから、下りは要注意です。分岐に戻って留夫山に向かいます。平凡な稜線の径ですが、笹が刈りはらってあって歩き易い道です。足元には赤い小さな実を付けた房がそこかしこに落ちています。近くには赤い実を付けた木がありました。家に帰って調べてみたら、「タマミズキ」ではないかと思いますが、「タマミズキ」は西日本に自生する木ですから、ひょっとしたら「ガマズミ」や「カンボク」かも知れません。とにかく、留夫山から帰ってきた道で、冬枯れの寂しい山肌を、赤く染めている木がありました。完全に落葉し赤い実をたわわに付けたその木は、遠目にはまるで春の紅梅のようでした。

留夫山は地味な山頂ですが、ここには一等三角点 点名「長倉山」標高1590.83mがあります。周辺の一等三角点は根子岳、篭ノ塔岳、高田山、榛名富士、八風山などです。分岐に戻って、来た道を下り、金湯館の湯(700円)に浸かって帰路に着きました。

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群馬県安中市の霧積温泉から、長野県県境の鼻曲山と留夫山を往復

赤実線:GPS歩行軌跡
(国土地理院電子国土地図に情報追加)

 

 

主な通過時刻:

きりづみ館跡駐車スペース 7:47

ホイホイ坂上 8:11
十六曲峠分岐の道標  8:47

霧積ノゾキ 9:11

稜線の道標(鼻曲山、留夫山分岐) 10:30

鼻曲山 10:48

稜線の道標(鼻曲山、留夫山分岐) 11:16

留夫山 12:11 (昼食)

霧積ノゾキ 14:32

霧積温泉金湯館 15:12 (入浴)

きりづみ館跡駐車スペース 16:10

所要時間:8時間(入浴時間含む)
総歩行距離:13.1km​

 

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横川から細い林道を走った最奥に霧積温泉の駐車スペースがある

​ここは2012年に廃館した「きりづみ館」の跡地

​名残の朽ちかけた水車小屋がちょっとさびしい

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ホイホイ坂の上にある登山道入口

​駐車スペースから30分ほど一汗かくとホイホイ坂の上(金湯館に行く林道)に出る

林道を300mほど歩けば金湯館

​鼻曲山方面へはここから入る

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鼻曲山が見えてきた

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霧積ノゾキ

​崩壊地

実際に金湯館の赤い屋根が見える

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稜線にある道標

北に行けば鼻曲山

​南に進めば留夫山から熊野神社、軽井沢

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​南方を眺める

​秩父、西上州方面を眺める

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​東方を眺める

右から剣ノ峰、角落山、雨坊主山

背後の山は榛名山

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留夫山の山頂

一等三角点 点名「長倉山」標高1590.83m

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昔ながらの風情を残す「金湯館」

少しぬるめだがやさしい泉質

いつまでも浸かっていたい

(雅熊)

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