蕎麦粒山北尾根から蕎麦粒山、仙元尾根下降

2021年10月10日 曇り時々雨 3名

投稿日 2021年10月12日​

東京都と埼玉県の都県境の山々に、埼玉県側の秩父から登ろうとした場合、いずれも結構な距離のアプローチを必要としたり、長大な尾根を登らなければなりません。酉谷山は熊倉山や、今は入山禁止となっている東沢から小黒を経る。三ツドッケ(天目山)には、細久保谷の天目山林道を歩いたり、七翅山は、大平山越え。仙元峠には長大な仙元尾根を登らなければなりません。いずれも一日で行けない距離ではありませんが、戻りも考えればちょっとしんどい。

今回登った蕎麦粒山(そばつぶやま)は、一般道で行くならば名栗から蕨山、有間山を経るか、棒ノ折から長い尾根筋を歩いてたどり着ける山。秩父側からは登路が長く、少ない。そこで、今回は下降に長大な仙元尾根を使いますが、登りは浦山川の広河原谷を詰めて、奥にある「蕎麦粒山北尾根」(仮称)で蕎麦粒山に登ることにしました。

広河原谷には広河原逆川林道(舗装林道)が延びており、工場谷が落ち合う辺りで有間峠に向かって上り、名栗に下って行きます。その工場谷が落ち合う辺りに落ちる尾根が、今回登った「蕎麦粒山北尾根」です。その「蕎麦粒山北尾根」の取付き点の標高は約699m。蕎麦粒山の標高が1473mなので、774mほどの標高差があります。短くて子気味よく都県境の蕎麦粒山まで導いてくれます。

この尾根の名称はわかりませんが、昔からいくつか登路があったようで、しかも年代とともに変化しているようです。昭文社の昭和61年(1986年)「奥武蔵秩父」では、三工場谷に。平成18年(2006年)の同地図には、二工場谷に沿う尾根に道があったようです。いずれもこの辺りを貫く、高圧送電線の新秩父線がまだなかった頃です。「蕎麦粒山北尾根」の上にも送電鉄塔が1本あるので、その巡視路があるはずですが、確認はできていません。

浦山の川俣にある大日堂の駐車スペースをお借りしました。トイレもあります。ここはバスのぬくもり号の終点です。対岸に大日堂が見えています。広河原谷の奥へと延びる広河原逆川林道を歩き始めます。尾根の取付き点まで約4.5km。1時間半かかります。その間に冠岩、鳥首峠方面への道を分け、彩の国キャンプ場、フィッシングセンターを見、道がヘアピンカーブしたら、前方に尾根が見えてきます。三角形のピークはいかにも登りごたえがありそうです。尾根末端に掘っ立て小屋のようなものがあります。

この先もさらに林道は続きますますが、掘っ立て小屋のところから、三工場谷へと林道が分かれて入っています。ただし草がぼうぼうで、先は暗いので入っていく気にはなりません。足元に「大楢ノ滝」と書かれた看板が落ちていました。Google Earthを見ると、三工場谷には林道が延びており、砂防ダムが2つほどあるようです。どうやら三工場谷の上部、仙元尾根東面にある崩壊地から流出する土砂の対策のようです。

送電線の巡視路を期待したのですが、この尾根の末端からは入ってなさそうです。気が付くと地味な赤ペンキが塗られた木がありますので、ちょっと傾斜のキツさが気になりますが、赤ペンキに従って登ってみました。案の定、垂直に立って手を伸ばせば斜面を触れるような急傾斜。灌木をつかみながら、濡れた泥と落ち葉に滑らないよう注意しながら登りました。幸い手ごわい岩壁などはなく、なんとかP872に着きました。これが下から見えた三角形のピークです。

この尾根はP872を越えればあとは安泰で、急な斜面で足が痛くなるようなところもありますが、しつこい藪も少なく、やせ細った尾根筋もありません。ひたすらある程度の傾斜を登り続けます。よくある山頂直下のよじ登りも無く、蕎麦粒山山頂の道標や岩が見えてきます。尾根上は最後まで赤ペンキに誘導されます。うまく目印になるように付けられているので、見落とさなければ迷うことはありません。途中の送電鉄塔は唯一の人工物です。コンクリートの土台はよいベンチです。

この日は、期待した太陽はほとんど顔を見せず。山内は白いガスの世界。足元はしっとりと濡れており、幻想的なモヤの中の登高となりました。もともと晴れていてもほとんど展望は期待できない尾根ですので諦めもつきます。約3時間かかった尾根でした。山頂で昼食をいただき、仙元峠まで都県境の稜線を歩き、仙元尾根で川俣の大日堂まで戻りました。仙元尾根は一般道です。大楢で尾根から外れて少し下降するので、ここを間違わなければ、あとは問題ありません。

茂倉尾根の茂倉新道で茂倉岳を目指す

矢場ノ頭の100mほど上で熱中症ぎみのため敗退

​天気は申し分なかったが気温が高く無風だった

赤実線:GPS歩行軌跡

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埼玉県秩父市浦山川俣の大日堂起点

​広河原谷 広河原逆川林道 蕎麦粒山北尾根(仮称)から蕎麦粒山

赤色線:歩行GPS軌跡

国土地理院電子国土地図に情報追加

主な通過時刻:

浦山川俣 大日堂P 7:30

蕎麦粒山北尾根取付き点 8:55

P872 9:40

送電鉄塔 10:15

P1155 11:00

蕎麦粒山 12:20

仙元峠 13:05

大楢 13:54

浦山川俣 大日堂P 16:05

所要時間:8.5時間
総歩行距離:13.4km

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広河原逆川林道

​浦山川に沿った舗装林道

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川俣の大日堂から約1.5時間で目的の尾根「蕎麦粒山北尾根」(仮称)が見えてきた

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尾根はP872までが急登

​灌木につかまりながら濡れた斜面を登る

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送電鉄塔

​尾根上の唯一の人工物

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傾斜がきついところもありなかなか応える

​岩場や痩せた尾根筋は無い

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蕎麦粒山山頂

三等三角点 「仙還」 1472.84m

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仙元峠

峠と言っても小ピーク上

​ここから仙元尾根を下る

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仙元尾根途中の大楢

この辺りの植林は明治神宮の管理下のようだ

​ここから尾根通しではなく東側の斜面を巻くように下って行く

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大日堂が見えてきた

​コロナ禍で今年も獅子舞の奉納は無いとのこと

​(雅熊)