top of page

谷川岳 吾策新道で万太郎山 2020年10月21日 晴ときどき曇り 単独

投稿日 2020年10月22日

今年の秋は急速な冷え込みでどこの紅葉もきれいだと聞きますが、まごまごしているとピークがすぐ終わってしまいそうです。そこで今回は谷川岳の紅葉を楽しもうともくろみました。ただ、谷川岳といえば10月下旬には初雪を見る山ですので、ちょっと遅いかなという感じはあります。しかし、新潟県側を含め関東甲信越全体が晴れる日はそう多くはありません。とくに谷川岳周辺では群馬県側が晴れても新潟県側は天気は真逆ということが多いので、日本海側から太平洋側まですっぽり覆ってくれるような高気圧が来ないとなかなか動けません。そういう秋の大きな移動性高気圧が来たのは20、21日。チャンス到来です。

関越自動車道を新潟方面に向けて走り、長い関越トンネルを抜けると、晴れていました!ほっと胸をなで下ろして湯沢ICで高速を降り、反転して土樽(つちたる)に向かいます。駅前を過ぎて高速のチェーン脱着場の横をかすめたら細い林道になります。ところどころ砂利の林道を進むと奥は普通車では無理な道路状態。見つけた駐車スペースに停めました。この林道にはところどころ駐車可能なスペースがありますが、奥に行ける車であれば広い駐車スペースもあります。駐車地から万太郎谷の沢音を聞きながら数分歩けば吾策新道の入り口が右側の樹林の中に入っています。

吾策(ごさく)新道は、若いころ川古温泉から越路(こしじ)に登り、万太郎を越えて吾策新道を土樽まで下ったのが初めてです。そのうち登ってみたいと思っていた道でした。今回は数十年ぶりの吾策新道。標高差1200m以上。老体には少々厳しい道です。

20201021_万太郎02.jpg

万太郎尾根 大ベタテノ頭近くの露岩から

​左のピークが茂倉岳、中央奥に谷川本峰、右にオジカ沢ノ頭

​万太郎山は群馬新潟国境の谷川岳主稜線のほぼ中央に位置する山で、標高は1954m。登路は主稜線を縦走するか、群馬県側の川古温泉から越路経由(難路)で登るか、今回の吾策新道を新潟県側から登るかのいずれかです。吾策新道は万太郎山から北側に派生する長大な万太郎尾根につけられた登山道で、登山口の標高は約770mですから、約1200mもの標高差を登ります。万太郎山は県境の山ですが、今回は新潟県側の吾策新道で登るので「その他の山」に入れました。

20201021_万太郎01.jpg

吾策新道で万太郎山往復ルート

登山口から舟窪(ふなくぼ)、大ベタテノ頭までは高木の樹林

その上は低木の尾根

​井戸小屋沢ノ頭から上は熊ザサとハイマツの斜面

赤実線:歩行GPS軌跡

(国土地理院電子国土地図に情報追加)

 

 

主な通過時刻:

駐車地 7:29

吾策新道入り口 10:02

船窪 9:09

大ベタテノ頭 9:44

井戸小屋沢ノ頭 10:24

主稜線との合流点 11:34

万太郎山山頂 11:42

井戸小屋沢ノ頭 12:38

大ベタテノ頭 13:21

船窪 13:51

駐車地 15:17

所要時間:7時間15分

総歩行距離: 9.5km

 

身支度を整えて出発。林道の続きを歩きます。数分歩くと林道の右脇に吾策新道の入り口標があります。すこしジメジメしぬかるんだ道を登ります。粘土層が露出しているところはすべりやすくなっています。ところどころに補助ロープがかけてあります。ブナの大木がいくつもあって、深い森です。木々の間から足拍子山の鋭峰が見えてきます。

​​道はやがて左上斜めに進み正面が明るくなったと思ったら船窪に出ます。この辺りはまだ樹林の中です。道は緩やかになり尾根上を進みます。少しアップダウンがあって露岩のある小ピークに立ちます。この辺りは木々の丈が短くなり展望が効くようになります。隣の茂倉岳や谷川岳本峰方面、シッケイノ頭や仙ノ倉山が見えています。正面にはこれから登る井戸小屋沢の頭から山頂手前の小ピーク群が並んでいるのが見えます。

 

​大ベタテノ頭を過ぎると道は少し下降し井戸小屋沢ノ頭に取り付きます。左の万太郎谷側の急斜面を注意深く進みます。補助ロープがかけてあります。井戸小屋沢ノ頭は、尾根筋から少し左側に飛び出た小ピークです。その上から熊ザサ帯に入ります。白くザレた斜面を注意しながら登ります。熊ザサの中の急登となり、岩場を通過して上の小ピークをいくつか越え、最上部のピークを右から巻いたら稜線上の縦走路と合流(倒れた道標あり)します。そこから万太郎山山頂は数分です。

 

万太郎山山頂には三等三角点と山頂標があります。標高は1954m。三角点の点名は「万太郎」です。この日はあいにく山頂部は雲の中。しかもものすごい強風です。到着したのはお昼頃でしたが昼食をとることはできず、すぐに下山を開始しました。ときおりガスが晴れて美しい稜線が見えましたがカメラに収める余裕はありません。上部の岩場を慎重に下りて井戸小屋沢ノ頭に戻るころは雲の下。再び晴れました。余裕が出るとお腹がすきます。非常食のパンを食べながら一休みし、大ベタテノ頭、船窪ともと来た道を辿り、車に戻ったのは15時過ぎでした。登りに約4時間、下りに3.5時間ですので予定通りと言えます。紅葉は少し遅かったかなという感じでしたが、それでも茂倉岳の斜面などには緑の熊ザサの中に点々と赤や黄色が見られました。

20201021_万太郎03.jpg

林道脇にある吾策新道入り口
ここの標高は約770m

20201021_万太郎04.jpg

大ベタテノ頭付近から眺める仙ノ倉山(左のピーク)と、シッケイノ頭

20201021_万太郎05.jpg

大ベタテノ頭付近から眺める茂倉岳と、奥に谷川本峰
谷は万太郎谷

20201021_万太郎06.jpg

井戸小屋沢ノ頭とその上のピーク群を見上げる

ルートは一旦井戸小屋沢の頭を通過して熊ザサ帯の急登となる

​岩場があり、いくつかの小ピークを越える

20201021_万太郎07.jpg

上部小ピーク群への斜面から井戸小屋沢ノ頭(右下)を見下ろす

左の紅葉のピークは大ベタテノ頭

画面上中央スレスレの鋭峰は足拍子山

20201021_万太郎08.jpg

万太郎山山頂

標高 1954m

三等三角点 点名「万太郎」標高 1954.12m

​(熊五郎)

jf1vrr(AT)jarl.com

本サイトの文章や写真などには、一部の引用を除いてすべてに著作権が設定されています。

Copyright (C) 2007 - 2024 Kumagoro & JF1VRR All Rights Reserved.

​このサイトはWixを使用して作られています。

bottom of page