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尾ノ内沢から龍頭神社 八丁峠 河原沢川下降 2018年5月12日登る 晴れ 3名

投稿日 2018年5月14日                    

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尾ノ内渓谷氷柱駐車場からの両神山北西部の稜線

龍頭神社奥宮は小さな三角ピークと小キレット(風穴)の間にある

 

昭和60年(1985年)5月12日に登った尾ノ内沢。かれこれ33年前でした。両神山の稜線に直登する私の憧れのルート尾ノ内沢に、今回熊谷のYさんとAさんの3人で再挑戦しました。

 

33年前はYさんと納宮に車を停めて尾ノ内沢を登り、天武将尾根の天理岳、楢尾沢峠経由で納宮に戻りました。その頃はまだ尾ノ内沢には氷柱見物の施設などが無い頃で、尾ノ内沢には神社と小さな学校のような建物、民家があり、老人が小さな畑をのんびり耕している。そんな風景の中に細い道が奥へと続いていました。

 

現在は尾ノ内渓谷と称し、尾ノ内渓谷氷柱見物コースができています。そのおかげで駐車場やトイレが整備されています。今回はその氷柱見物用の駐車場をお借りし、尾ノ内沢を最奥の龍頭神社(りゅうかみじんじゃ)奥宮まで登り、八丁峠経由で河原沢川沿いの道を坂本に降り、国道299号を駐車場まで戻りました。

 

駐車場から稜線上の龍頭神社奥宮まで約4.5時間の行程で、距離で約5分の4の油滝までに約2時間かかったのに対し、残り5分の1の油滝から龍頭神社奥宮までの急登に2時間かかっています。この急登は傾斜が強いながら斜面のトラバースや、小尾根を利用した登りやすい道になっており、稜線手前にはクサリやハリガネが連続しますが、概ね登りやすいと言えます。稜線直下はイワカガミが咲き、シャクナゲやアセビが目立ちます。

 

龍頭神社奥宮の社のある場所は、西岳と東岳の間の小ピークの脇で、西岳寄りには小さなキレットがあります。この辺りの露岩の稜線にはクサリが掛けられ、アップダウンの大きいところです。その様子は駐車場からも見えています。

 

尾ノ内沢は氷柱見物のために整備されており、歩き始めてしばらくは氷柱を作るためのホースなど人工物が目立ちますが、やがて昔からの山道になります。チャートの山の沢は巨岩の多い美渓が多いのですが、尾ノ内沢はその代表です。

 

沢筋の道は本流を忠実に辿ります。この時季、軽ろやかな沢音とともに、緑の風が吹きわたっていました。油滝からはガレの斜面に乗り、徐々に本流源頭部に近付いて小尾根に乗り、トラバースぎみに稜線に近付いて、クサリや木の根の急登で稜線に飛び出ます。

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(画像を一度左クリックし、次に右クリックして新しいタブで画像を開いて拡大してご覧ください)

尾ノ内沢ルート 八丁峠から河原沢川を下降

赤実線:歩行GPS軌跡 青破線:下降ルート別案(天理岳経由)

沢筋はGPSの測位が暴れています。

尾ノ内沢、および天武将尾根は一般ルートではありません。

河原沢川の道は部分的に不明瞭です。

東岳 - 八丁峠間の稜線上はクサリ場(岩壁)が多数あります。

(国土地理院電子国土地図に情報追加)

 

通過時刻:

尾ノ内渓谷氷柱駐車場 8:35

山の神 9:10

油滝 10:40

地獄岩 11:10

龍頭神社奥宮 12:51 (昼食) 13:15

西岳 13:42

行蔵坊 13:52

八丁峠 14:47

八丁トンネル駐車場-坂本分岐 15:05

大岩(林道接点)  15:56

山ノ神 16:54

水道施設(登山口) 17:11

坂本バス停 17:38

龍頭神社(里宮) 18:02

尾ノ内渓谷氷柱駐車場 18:19

 

所要時間: 9時間40分

総歩行距離:約17.5Km

 

参考文献:「低山高蹤」神谷 恭 寄稿と追悼 盟渓堂

八丁峠より両神山へ

尾ノ内沢より両神山へ

     「山の憶い出」(下) 小暮理太郎 平凡社

二、三の山名について 両神山

 

ところで、”両神山”と”八日見山”を同じように扱う説明が多いかと思います。これは現地の古老にでも聞いて確かめてみないと定かなことはわからないのですが、神谷氏の談では、八日見山は八丁峠から東岳あたりまでで、そこから南側の山頂を含めた領域を両神山と言うのだそうです。思うに、河原沢川の八日見山龍頭神社からは八日見山と呼ばれ、一方、薄(すすき)川の日向大谷にある両神神社からは両神山と呼ばれているということのように思います。龍頭神社の奥宮は東岳と西岳の間にありますが、両神神社の奥宮(二社)は剣ヶ峰手前の広い尾根上にあります。このように奥宮が別々に祭られ、それぞれの参道があることから、山が別名で呼ばれていても不思議ではないと思います。なお、同じ場所に二社並んでいる両神神社の奥宮は、薄川と小森の集落のものと聞きます。

 

 

熊谷から国道140号を走り299号に乗り換えて赤平川沿いに走ります。尾ノ内渓谷入り口の八日見山龍頭神社里宮の角を左奥に入ります。1.2Kmほどの舗装道路の奥に氷柱見物の駐車場があります。駐車場からは両神山の稜線が見えています。西岳と東岳の間に小さなキレットがあり、その左に小ピークが見えています。その小ピークの肩が龍頭神社奥宮です。

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尾ノ内渓谷氷柱のコースをしばらく歩く

壱番滝の近くは橋が掛けてあって歩きやすくなっている

 

身支度をして奥に進むとトイレや管理棟があります。その先に橋がかかっており小さな滝(壱番滝)があります。この辺りが氷柱を見物する場所のようです。ホースなど複雑に沢の奥へと通っています。やや暗い沢筋に入っていくと道標があって山道となります。

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美渓を行く

新緑が美しい

 

 

沢筋の道はわりとはっきりしています。やや細い踏み跡ですが、ピンクのリボンや岩に赤ペンキで矢印がしてあるので、迷うことなく進めます。沢筋に飛び出た岩の上に杉が生えており石祠がぽつんとあり、道脇に道標があります。山ノ神です。

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山ノ神

沢にせり出した大岩の上に石祠がある

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尾ノ内沢本流を忠実に詰めていく

高巻きなどは無い

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油滝

道標の位置から

道は滝に近付かず背後のガレ斜面を電光に登って行く

 

キギノ沢の合流を過ぎてクサリ場があり、その奥に油滝があります。この滝は雨乞いの滝なので滝壺(油壺)は、普段かき混ぜてはならないと言われています。滝の少し下に洞窟のような穴があります。これはかなり古い鉱山の跡で、前回はこの穴に入ってみましたが、今回は眺めるだけにしました。道は滝には近づかず、後のガレの斜面を電光のように登って行きます。やがて露岩が多くなり、沢の源頭の気配となります。

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源頭部を行く

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源頭部から二子山を眺める

遠くに御荷鉾山、オドケ山

 

やや斜め上方に稜線に向かって近づいていく感じで、八日見山道の標柱を見て大岩の基部を通過し、ヒンマワシと呼ばれる小尾根に乗ったりして急登していきます。イワカガミが可愛く咲いています。やがてシャクナゲやアセビが混ざり、悪い岩の斜面をトラバースして、クサリや木の根っこをつかんだりしてキンササギ(キンササゲ)を急登すると稜線の龍頭神社奥宮の社に出ます。そこは稜線上の一般道です。

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稜線上にある龍頭神社奥宮

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龍頭神社奥宮から

近くにある小さな三角ピーク(矢印)と東岳(奥)

 

 

稜線に出たら八丁峠方面にとります。クサリを下ると駐車場から見えていた小キレットです。再びクサリで登り返すと西岳。そこからほどなく行蔵坊(標柱は行蔵峠となっているが峠は西岳との間の小さな鞍部)。クサリのある稜線をアップダウンし、鉱山の搬出用索道の鉄塔跡を見たら、ほどなく八丁峠です。

 

関連記事:両神山 西岳からの展望

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岩場を降りるYさん

八丁峠までにこのような岩場が数か所ある

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小キレット(仮称)

風穴と呼ぶようだが

この隙間は駐車場から見えていた(最初の写真)

 

八丁峠からの下山道は、最初八丁トンネルの駐車場向けの道と同じですが、やがて右に坂本への道が分岐します。河原沢川沿いの道です。上部は踏み跡がはっきりしていますが、水流が現れるとややザレた斜面になり不明瞭になります。水流の近くを辿る道は何度も渡渉を繰り返し、部分的に不明瞭です。ピンクのリボンや赤矢印が頼りになります。途中に鉱山搬出用索道のバケットが落ちています。社とベンチのある大岩のところで林道が近づきますが、林道には出ず引き続き沢筋を下ります。やがて植林帯になり石祠と社を見てなおも下ると水道施設があり、国道299号に出ます。坂本まで歩いてバスの時刻を見ましたが、諦めて尾ノ内渓谷の駐車場まで歩きました。

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西岳付近から東岳と前東岳

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西岳から行蔵坊

遠くに赤岩尾根、宗四郎山、六助など

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八丁峠から少し下り坂本への分岐に入る

坂本まで4.0Kmとある

 

お風呂は両神の薬師の湯が20時までとのことなので寄ってさっぱりし、帰途につきました。

 

 

「新緑の稜線に出て風を飲む」

 

 

 

 

(熊五郎)

 

コメント(2)

  • 根っこって芸術品ですねえ。 (agewisdom) 2018/5/14(月) 午後 9:17

  • > agewisdomさん 登るときの手掛かりとしても、根っこには助けられます。(熊五郎) 2018/5/15(火) 午前 0:09

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