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7MHz HF40FX と 10MHz HF30FX 1/4λ ホイップ・アンテナ

投稿日 2023年02月28日

モービル半固定でのHF帯運用はダイポールなどを展開できれば文句なしですが、なかなか条件が揃わず難しいところがあります。そこで手軽に使える1/4λホイップ・アンテナに目が行く訳ですが、昔から各社からいろいろ取り揃えて販売されています。

ダイヤモンドのHFXXFXシリーズもそのひとつです。今回は手持ちの7MHz HF40FXと10MHz HF30FXのVSWRを確認してみました。

このアンテナはベースローディングタイプで、コイル部分がアンテナ基部にあります。上部のエレメントはカーボンロッドのような導電性樹脂(説明書ではファイバーエレメントとなっている)に見えますが、実際のところはよくわかりません。全長は1.4mと、この手のアンテナとしては短めです。

最も特徴的かつ便利なのは、エレメントの長さを指で簡単に回せる調整エレメントサポートが採用されている点です。これによって六角レンチなどの工具を必要とせず、指で簡単にエレメントの長さを調整できます。

HF40FX_HF30FX.jpg

ダイヤモンド HF40FXとHF30FX(裏面)の取扱説明書

​全長1.4mの比較的短く軽量な1/4λホイップ・アンテナ

HF40FXの仕様・規格は以下のとおりです。(取扱説明書より)

7MHz ベースローディング型 1/4λ アンテナ

耐入力 200W(SSB)

インピーダンス 50Ω

全長 1.4m

質量 270g

コネクタ M-P型

帯域 VSWR 1.5以下 ±10KHz

周波数変化量 1cm当たり 23KHz

HF30FXの仕様・規格は以下のとおりです。(取扱説明書より)

10MHz ベースローディング型 1/4λ アンテナ

耐入力 220W(A1)

インピーダンス 50Ω

全長 1.4m

質量 240g

コネクタ M-P型

帯域 VSWR 1.5以下±19KHz

周波数変化量 1cm当たり 35KHz

これら高短縮率のアンテナは帯域が狭いのが難点で、CW用とSSB用で共有はできず、都度調整が必要です。取扱説明書によるとHF40FXのVSWR 1.5以下の帯域は±10KH すなわち20KHzしかありません。また、HF30FXは±19KHz 38KHzしかありません。10MHzはCWのみですので、10.120MHzあたりに合わせておけば事足りますが、7MHzの場合は、CW用として7.015MHzあたりに合わせると、SSBでは使えません。ただし、前記のようにエレメントの調整は簡単でストレスなく行えます。実測ではVSWR 2.0の帯域ですが、HF40FXが45KHz、HF30FXが80KHzとなりました。

このアンテナは1/4λですのでアースが必要です。今回は同じダイヤモンドのマグネット・アースシートMAT50を使用し、車の天井と静電的に結合させました。最初MAT50一枚で十分VSWRが下がるか不安でしたが、良好なVSWRが得られました。

​以下、nanoVNAによる実測結果です。

7MHz_HF40FX_MAT50.jpg

車の屋根(マグネット・ベース)でMAT50を使用したVSWR

最低VSWR周波数7.010MHz 1.068

VSWR 2.0の帯域幅 約45KHz

6,990MHz 1.931

7.010MHz 1.068

7.035MHz 1.974

10MHz_HF30FX_MAT50.jpg

車の屋根(マグネット・ベース)でMAT50を使用したVSWR

最低VSWR周波数10.120MHz 1.071

VSWR 2.0の帯域幅 約80KHz

10.085MHz 1.981

10.120MHz 1.071

10.165MHz 2.097

HFローバンドの移動用アンテナは各局工夫していろいろ試されているようです。このアンテナは高短縮率でそれほどの飛びは期待できませんが、短く軽量ということで、ちゃんと固定すれば車での走行使用も可能な範囲です。なにより手軽という点が売りでしょうか。

(JF1VRR)

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