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50MHz ノンラジアル・ホイップ HR50

投稿日 2023年02月24日

50MHzでの気軽な移動運用を考えた場合、現地について5分以内にQRVできるアンテナ。それはこのノンラジアル・ホイップ HR50ではないでしょうか。移動運用地に着いたら、車に常時付けている144/430MHz ホイップを外し、HR50に取り換える。これで準備OKです。HR50の全長は2m以上なので、取り付けたまま走行は無理ですから、現地で交換しますが、そこはノンラジアルなので、正に交換するだけです。5分もかからないでしょう。しかも不安定になりがちなアースが不要なため、メーカ性能がそのまま発揮できると考えられます。

 

COMETのホイップアンテナHRシリーズはHF帯(3.5MHz~28MHz)から50MHzまで揃っていますが、50MHzのHR50だけが1/2λのノンラジアル・アンテナです。そのほかのHF用はすべて1/4λの接地型アンテナです。

ノンラジアル・アンテナのメリットの一つは同軸ケーブルの先につなげられることです。つまりアンテナを高く上げられる点です。車のボディーに立てる必要はありません。50MHzのようにVHF耐では少しでも高く上げられるということは有利です。またGPのように三方にラジアルが出ていない(ラジアルが無い)、一本の棒ですので安全です。

​このアンテナの不利な点としては、50MHzでは八木アンテナなどのビームアンテナを水平で使う局が多い中で、HR50は垂直偏波である点です。どの程度影響するものかはわかりませんが。

HR50.jpg

COMET 50MHz ノンラジアル・ホイップ・アンテナ

​全長2.13mの長いアンテナでセンター・ローディングタイプ

​説取扱明書と実物(アンテナ基部のみ)

HR50の仕様・規格は以下のとおりです。(取扱説明書より)

センターローディング型 1/2λ ノンラジアル・アンテナ

利得 2.15dBi

耐入力 200W(SSB)、100W(FM)

インピーダンス 50Ω

全長 2.13m

質量 490g

コネクタ M-P型

帯域 VSWR 1.5以下 ±750KHz

周波数変化量 1cm当たり 83KHz

折り曲げ機構付き

L型六角レンチ付属

エレメントの長さを調整する調整固定ネジ(小さな六角ナット)はアンテナ給電部上と、ローディングコイル上の2箇所あります。(蛇足ながら、六角ナットは緩めすぎて落ちると見つからなくなるので要注意です) 取り扱い説明書には下部(ローディングコイルの下)エレメントと、上部エレメントの長さの指定が書いてありません。全長2.13mと載っているだけですので、とりあえず全長が2.13mになるよう、適当にエレメントを仮留めします。(2.13mはエレメントをほぼ最も差し込んだ状態です)

今回は自宅の庭で、全長2.13mで車の屋根にマグネット・ベースで取り付けた場合と、ポールで地上高4.5mに上げた場合のVSWRを計測しました。さらに4.5mに上げたままアンテナ・チューナ CAT-10で極力VSWRが落ちるようにチューニングしてみました。以下にがnanoVNAで計測した結果です。

HR50_ON_THE_BODY.jpg

車の屋根(マグネット・ベース)でのVSWR

最低VSWR周波数50.240MHz 1.074

50.000MHz 1.226

50.240MHz 1.074

51.000MHz 1.803

HR50_4.5m.jpg

地上高4.5mのVSWR

最低VSWR周波数50.600MHz 1.043

50.000MHz 1.811

50.600MHz 1.043

51.000MHz 1.543

HR50_4.5m_CAT-10.jpg

地上高4.5m + CAT-10でチューニングしたVSWR

最低VSWR周波数50.140MHz 1.071

50.000MHz 1.103

50.140MHz 1.071

51.000MHz 1.386

結果は上々。さすがにメーカー製のアンテナはよくできています。車の屋根よりも4.5mに上げた方が共振周波数が上がる傾向があります。よく使う周波数は50.180MHzから50.250MHz付近なので、十分実用範囲です。CAT-10でチューニングすると帯域あややブロードになり任意の周波数で共振させることができました。

先にも書きましたが、ノンラジアルのアンテナは上げっぱなしで使えますので、移動先で複雑な作業を必要とせず気軽に使えます。

 

 

(JF1VRR)

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