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Maldol VC-40 7MHz短縮Vダイポール

投稿日 2023年02月18日

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Maldol(北辰産業)のBASE STATION V型ダイポールアンテナの説明書

7MHz(VC-40)、21MHz(VC-15)、50MHz(VC-6)の3種

耐入力電力 VC-40 150W(SSB) VC-15 200W(SSB) VC-6 300W(FM)

VSWR 1.9の帯域 VC-40 ±10KHz VC-15 ±180KHz VC-6 ±2MHz

30年も前に購入したMaldol(北辰産業)の短縮V型ダイポールアンテナをこれからのコンディション上昇期待の移動運用に備えて調整してみました。この手のアンテナは、現在ではもっと良いものが出ているようです。たとえば、第一電波工業のHFV-40など。

当局のVC-40は昔、移動運用で活躍したもので、海外との交信は無いのですが、たとえば西伊豆での移動運用では全国くまなく交信できたと記憶しています。MaldolのBASE STATIONシリーズは7MHzのVC-40の他に、21MHzのVC-15、50MHzのVC-6があったようです。販売当時は、非常にコンパクトでHFに出られるというので、アパマンハムがベランダから展開して使うようなスタイルで重宝がられたようです。もちろん移動用にも最適です。

ベランダででも、移動ででも、なんと言ってもこの手のアンテナはアース(カウンターポイズ)が不要な点が好まれる点です。カウンターポイズが必要なロングワイヤーや1/4λのホイップなどは、カウンターポイズの張り方によって大きく性能が左右されますが、その点、カウンターポイズの不要なダイポール系のアンテナは長さを調整しておけば、ほぼ上げっぱなしで即使用することができる点が便利です。

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VC-40のマウント部

円筒形のバランの上に結合コンデンサーがある

​エレメントの角度を変えられるようになっている(90度以上推奨)

ポールに固定するUボルトはΦ25から60に適合

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4.5mに上げた様子

​使用ポールはアンテン GPL-45

今回は庭に出て、これも年季の入った4.5mポール アンテンのGPL-45にVC-40のマウント部を固定して上げてみました。VSWRの計測はnanoVNAを使用しました。

取説に書かれていますが、この手の短縮アンテナは、帯域幅が狭いのが難点です。このV型ダイポールに限りませんが、VC-40で(説明書によれば)20KHzしかありません。(フルサイズダイポールだと数100kHzはあると思います) したがってCWで出るなら7.015MHz辺りに。SSBで出るなら、たとえば7.060MHz辺りと、モードによって調整する必要があります。この調整は左右のエレメントの長さで調整します。説明書によればVC-40の場合、1cmで約12KHz動くようです。

今回は地上高(給電部の地面からの高さ) 4.5mで7.018MHzのVSWRが最低になるよう調整してみました。以前のマーキング通りでほぼ一発で調整できました。下記がその計測結果です。

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地上高4.5mのVSWR

中心周波数7.018MHzに調整

VSWR 2.0の帯域 約30KHz

7.003MHz 2.016

7.018MHz 1.568

7.033MHz 1.969

7.018MHzのVSWRは1.568となりました。なかなか1.5以下には下がってくれません。VSWRが約2.0以下の

帯域は説明書の20KHzより広い約30KHzです。VSWRが下がらないのは環境条件によるものと思われます。また、今回はV型のエレメント角度を90度としましたが、これを120度くらいや、水平にすればもっと改善されるかと思います。

また、ダイポールアンテナの場合、地上高はシビアに影響するようです。上記のように調整したままで、地上高を1.8mくらいに下げてみたところ、最低VSWR点が低い方に動き、帯域幅が狭まりました。最低点を7.018MHzに調整してありましたが、6.970MHzまで48kHz下がりました。また、帯域は30KHzだったものが17KHzに狭まりました。この結果から、なるべく高く上げて調整したいものです。

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地上高1.8mのVSWR

上記のまま(7.018MHz 1.568)1.8mに下げてみた

VSWRの最低点が6.970MHzに下がり、VSWR 2.0以下の帯域が17KHzに狭まった

6.964MHz 2.061

6.970MHz 2.027

6.976MHz 2.078

今回、地上高4.5mのVSWRが1.568と、あまり芳しくありませんので、COMETの移動運用用アンテナチューナCAT-10をつないでVSWRが落ちるか試してみました。

結果、7.018MHzのVSWRが1.043まで落ち、VSWR2.0以下の帯域が48KHzに広がりました。

​移動運用は環境が様々ですので、簡易なアンテナチューナーでもあれば重宝します。

アンテナチューナCOMET CAT-10でVSWRを落としてみた

地上高4.5m 中心周波数7.018MHz

VSWRが1.043まで下がりVSWR 2.0の帯域が48KHzに広がった

6.997MHz 1.960

7.018MHz 1.043

7.045MHz 2.043

最近はコンデションの上昇が感じられ、このところのCW人口の増加や、移動運用が盛んになってきているようにも感じます。今サイクルでこのシーズンのコンディションがどうなるか今から楽しみですので、当局も移動運用の準備に余念がありません。

(JF1VRR)

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