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投稿日 2019/05/15

6R-P10 三結 電力増幅用五極管

6RP10.jpg

NEC赤文字 通信用 6R-P10

1965 -MM OLXXXXとある

 

国産球のようです。今回入手したのはNECの通信用で、おそらく何かの通信機器から抜き取られたものでしょう。中古です。

 

6R-P10については、他の国産球もそうですが、あまりまとまった情報がありません。かろうじて在る情報から引いてくると、有線通信用の高帯域信号増幅用で相互コンダクタンスgmが大きいと言われている球です。

 

9ピンのMT管ですが、注意すべきはピン配置です。通常、9ピンのMT管では4ピンと5ピンがヒーターですが、この6R-P10は1ピンと6ピンがヒーターになっています。ピン配置は以下の通りです。

 

ピン1 H

ピン2 P

ピン3 NC

ピン4 K, IS, G3

ピン5 G2

ピン6 H

ピン7 NC

ピン8 G1

ピン9 K, IS, G3

 

NCには手持ちのもので見たところ何もつながれていませんでした。(念のため)

 

構造は一見12BY7に似ているように思います。

 

情報は少ないながら一部のオーディオファンによるパワーアンプへの採用がみられるようです。

 

今回は三結で手持ち4本の6R-P10を計測してみました。

 

計測の結果、けっこう個体差のある球というのが印象です。この球を中古で入手しオーディオアンプ等で使用する場合、個々に動作点の確認をしたほうがよさそうです。グラフの曲線の立ち具合はgmの高さを物語っています。つまり感度のよい球ということで、わずかなGcvの変化でIpが大きく変化します。

 

 

○6R-P10 管理番号435 三結

6RP10_435.jpg

Hv/Ha  6.3V / 484.4mA

Ecg -2V -4V -6V

Ep  90V 130V 170V

Ip  10.70mA 8.64mA 7.20mA

rp 2347Ω 2688Ω 3144Ω

gm 10440us 8880us 7460us

μ    23.0 22.2 21.4

 

 

 

○6R-P10 管理番号436 三結

6RP10_436.jpg

Hv/Ha  6.3V / 473.9mA

Ecg -2V -4V -6V

Ep   90V 130V 170V

Ip  17.09mA 15.04mA 14.07mA

rp  1930Ω 2146Ω 2403Ω

gm 19680us 10500us 9180us

μ    20.4 20.8 20.2

 

 

○6R-P10 管理番号437 三結

6RP10_437.jpg

Hv/Ha  6.3V / 474.6mA

Ecg -2V -4V -6V

Ep  90V 130V 170V

Ip  13.59mA 11.22mA 9.47mA

rp  2100Ω 2381Ω 2809Ω

gm 11920us 10000us 8420us

μ    24.0 22.4 21.8

 

 

○6R-P10 管理番号438 三結

6RP10_438.jpg

Hv/Ha  6.3V / 487.6mA

Ecg -2V -4V -6V

Ep  90V 130V 170V

Ip  11.99mA 10.48mA 9.75mA

rp  2174Ω 2513Ω 2907Ω

gm 11100us 9180us 7680us

μ  22.6 20.6 19.8

 

 

注意: 三定数は手持ち電圧発生器、計測器の限界であまり精度のよいものではありません。

 

 

 

6R-P10 No. 435, 436, 437, 438

 

 

(JF1VRR)

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