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入力、出力電圧範囲が広い昇圧型電源モジュール

日本無線のNJW4131使用

秋月電子で800円で販売されている

多回転VR、端子台、コンデンサが付属

これらを半田付けすれば完成

 

移動運用などでノートブックPCを使用しますが、内蔵のリチューム・バッテリでは2,3時間しかもちません。外部電源として付属のACアダプタを使うとなるとAC100Vが必要です。AV100Vを得るにはDC-ACインバータを使うか、発発でも回わす必要があります。

 

12Vのバッテリで動かせればいいのですが、ACアダプタの出力電圧を見ると19Vなどと高い電圧です。12Vのバッテリでは電圧不足。相手がパソコンですから正規の電圧で使いたいところ。

 

無線機は12Vで動くのに、ノートブックPCのためだけに発発を回したり、DC-ACインバータで100Vを作るのも効率が悪い。

 

そこでなんとか12Vを19Vに昇圧したいところです。

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付属部品を取り付け完成したモジュール

 

昇圧型DC-DCコンバータはアマチュアとしては自作の範疇ですが、前述のように便利なモジュールが売られています。ただし、規格によるとこのモジュールで12Vを19Vに昇圧した場合、400mA程度しかとれません。

 

そこはアマチュア精神! 1個でだめなら2個パラにしてでも使いこなそうというわけで今回の実験と相成りました。

 

モジュールの仕様は以下の通りです。

出力電圧範囲 4V - 30V

入力電圧範囲 4V - 30V

スイッチング周波数 700KHz

効率 92% (入力12V、出力24V 電流0.1A時)

寸法 30mm x 30mm x 14mm

多回転ボリュームで出力電圧の設定が可能

過電流保護回路が無いので定常的に2Aを超えないように注意とあります。

 

ところで昇圧はスイチング・レギュレータでなければできない技ですのでしょうがないとして、無線機へのノイズ源としての影響は気になるところです。スイッチング・レギュレータは昔に比べればスイッチング周波数が高くなりましたが、AF段にもろに飛び込むと問題です。NJW4131のスイッチング周波数は700KHzです。

 

また、最大負荷付近で使用するとリップルが増えるのは常識ですが、実際の使用環境でどのようになるか心配なところです。

 

スイッチング・レギュレータは無線機などでの使用上、いろいろ問題をはらんでいますが、効率が90%近いというのは捨てがたい魅力です。特にバッテリ使用での移動運用ではありがたいですね。

 

今回は12Vバッテリから19Vに昇圧した場合の特性を電子負荷で計測してみました。

その結果に基づいてノートブック PC DELL Inspiron 1210での使用を確認しました。

 

計測項目は以下の通りです。

 

負荷特性試験 入力電圧12V固定で、負荷電流を変えての計測

入力電圧変動試験 負荷を一定にしておき、入力電圧が低下した時の影響

無負荷時と負荷時のリプル電圧

 

 

負荷特性試験 入力電圧12V固定で、負荷電流を変えての計測

 

12V入力 19V出力での試験です。

シングルとパラレル(2個)で行いました。

 

シングルでは規格上0.4Aまでとなっていますが、0.68Aくらいまで問題なくとれました。効率も90%近く、発熱もほとんどありません。

 

2個パラレルにすると約1.6倍の電流容量となり、1A近くとれますのであまり画面の大きくないノートPCなら使える範囲です。当局のDELLの小型ノートPC Inspiron 1210では問題なく動きました。

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NJW4131モジュール1個(シングル)での負荷特性

12V入力 19V出力時

規格では0.4Aとなっているが、

少し効率は落ちるものの計測では0.68Aくらいまで使えそう

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NJW4131モジュール2個(パラレル)での負荷特性

12V入力 19V出力時

最大負荷電流は1.08Aと、シングルの約1.6倍になっている

ノートPC DELL Inspiron 1210は稼働中約0.65A流れるので、

各モジュールは約0.325Aで動作しているものと思われる

効率が良いのでほとんど発熱しない

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DELLの小型ノートPC Inspiron 1210を12Vバッテリと昇圧コンバータで起動

NJW4131モジュールを出力電圧19Vに設定し2個パラレルに接続

PC側約0.65A バッテリ側1.0Aから1.2A

50MHz SSBでモニタしたが問題になるようなノイズはなさそう

 

入力電圧変動試験 負荷を一定にしておき、入力電圧が低下した時の影響

 

写真のシールバッテリは12Ahですので、バッテリ側の電流が1.2Aということは約10時間はもつ計算になりますが、バッテリはj徐々に電圧が低下します。12Vバッテリの場合、11.5Vくらいになるまで使いたいところですが、途中で19Vが下がってしまってはこまります。

 

そこでバッテリがまだ元気な13.5Vくらいから低下させて出力電圧をみてみました。

11.5Vまで下げてもほとんど変化が無いので8.0Vまで計測してみました。

 

ほとんど電圧降下はなく安定しています。許容入力電圧範囲が広いようです。

 

バッテリの電圧が低下し出力電圧との差が多くなると入力電流が増えます。つまり消費電流が多くなりバッテリの消費を加速します。

 

11.5Vまでとした場合1.2Aですので、1.2Aで使用可能時間を計算すると手持ちの12Ahのシールバッテリでは10時間と考えておけば安全範囲となります。

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入力電圧が変動した場合の出力電圧への影響

負荷はDELLの小型ノートPC Inspiron 1210の

使用中の電流に合わせ0.65Aとした。

バッテリ電圧が13.5Vから8.0Vまで低下したことを想定

最低電圧でも18.89Vをキープしている

(注: 12Vバッテリは11.5V以下に低下させてはいけません)

 

無負荷時と負荷時のリプル電圧

 

無負荷時 20mVpp

負荷時(0.65A) 82mVpp 入力 12Vバッテリ 負荷 DELL Inspiron 1210 0.65A

 

82mVppは出力電圧の0.43%。 1%以下なので合格!

 

 

 

NJW4131は全体的に非常に安定しており使いやすいイメージです。

恐るべしNJW4131!

 

 

ケースに組み込みノイズ対策等をして移動運用に活用したいと思います。

すべてバッテリ運用なら、静かなQRPの移動運用ができます。ノートPC用と無線機用のバッテリを持っていけば、朝から夕方まで5W程度でたっぷり楽しめそうです。 

 

 

(JF1VRR)

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