TM-701の周波数ずれ

投稿日 2015/12/28

144/430MHz FM車載用トランシーバの感度が突然悪くなり慌ててしまいました。

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車載用の144/430MHz FMトランシーバ

過酷な環境でも壊れることなく25年近くも活躍してくれたが、

突然の感度低下? さっそく修理です。

 

最初はアンテナを疑いましたが、車から外して固定アンテナにつないでも同じです。冷静に考えてみると、周波数ずれを起こしたときのような受信音です。

 

周波数ステップは通常20KHzにしてありますが、それを5KHzに変更(手順:VFOモードでFキーを押す。続いてREV/STEPキーを押す。メインダイヤルで5KHzステップを選択する。再度REV/STEPキーを押す。)して細かく(5KHz毎に)受信周波数を変えられるようにし、交信中の局が最もよく聞こえる周波数にしてみると、使っているチャネルより10KHzくらい下にずれていました。たとえば433.060MHzで交信している場合、433.050MHzで最もよく聞こえます。

 

144MHzのほうは問題ありません。(後でわかったが影響はあった。)

 

これは430MHz側のPLLのずれが原因と考え、取説に記載されている回路ブロック図とにらめっこ。どうやらPLLの基準クロックは12.8MHzで、144MHzと430MHz共用のようです。

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TM-701のPLL部

点線の枠内がPLL

上が144MHz用(3500)、下が430MHz用(3480)

PLLの基準クロックは430MHz PLLの側にある12.8MHzに水晶振動子

出力はDSCを通じて144MHz側と共用されている

 

回路図で確認しようと、ネットでTM-701の回路図を探すも見つからず。しょうがないので見つかったTM-702で代用しました。TM-702のサービスマニュアルに載っている回路ブロック図はTM-701付属の取説に載っているものと比べると少なくともPLL周辺はほぼ同じのようです。サービスマニュアルには回路図も載っていますが、部分的に省略されており、肝心のPLLの基準クロックの部分はありません。しかし基準クロックはTC3という半固定のトリマで調整できることがわかりました。

 

追加: 2019年05月06日

 

最近になって、再度同じような周波数ズレが起こったのでトリマーを交換しました。交換用トリマーは秋月電子で販売されている20pFのTSC3F 通販コードP13742が容量、サイズともにぴったりです。私は交換・調整後問題なく使えています。TC3の取り外しはプリントパターンを剥がさないよう注意深く行ってください。

 

TM-701のカバーを開けて中を覗いてみると、PLLらしきシールドケースに入った回路があります。

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光っている四角い箱がPLL

上が144MHz用、下が430MHz用(シルク印刷で確認できる)

430MHz用のPLLに乗っているのはボタン電池

(メンテしやすいようにフロントパネル内からここに移動)

 

取説に記載されている回路のブロック図によるとX-58-3500-00が144MHzのPLL。X58-3480-01が430MHzのPLL回路のようです。(これらはTM-702でも同じです。)

 

基板を見るとシールドケースの側に3480と3500とシルク印刷されています。3480の近くに12.8MHzの水晶振動子があり、その近くに青いトリマ(TC3)があります。おそらくこのトリマが振動か何かで動いたか接触不良を起こしたのでしょう。

 

TC3をいじる前に、ずれのあるまま交信中の局を聞きながら、430MHzのPLL回路の基板の裏側の配線を適当に指で触ってみます。すると周波数ずれでほとんどまともに聞けない交信内容が聞き取れるくらい改善します。このことからPLLのずれであることは間違いなさそうです。

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PLLの基準クロック調整用トリマ(TC3)

中央の青い部品(20pFのトリマ)

今回はこれの接触不良でPLLの周波数が10KHzくらいずれていた

交換したいところだが、簡単に接触不良が治ったのので周波数を調整して終了

今後再発するようであれば交換かな!

 

さっそくTC3の調整。調整用ドライバで少し回してみます。少し触れて、回すか回さないか微妙な力が加わった瞬間、受信音が正常に戻りました。ずれが元に戻ったようです。本当ならトリマ(TC3 20pF)を交換したいところですが、少し回して一番聞きやすく、前後5KHzでSメータのふ振れが同じになる点にして調整完了としました。

 

144MHzでは感度の低下というか周波数ずれを感じませんでしたが、前述のようにPLLの基準クロックは144MHzと430MHzで共用の回路です。おそらく144MHzより430MHzのほうが約3倍ずれに敏感になるので、144MHzでもずれていたが気づかないほどでしたが、430MHzで顕著に現れたといったところでしょう。

 

とりあえず、144MHz/430MHzで送受信共問題無く動くようになりました。

 

25年以上ほとんど車に載せたまま酷使しているトランシーバですから、よく頑張ってくれています。この程度で復帰してラッキーでした。

 

 

 

 

 

(JF1VRR)