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6AQ5 電力増幅ビーム管

投稿日 2015/10/07

6AQ5_1.jpg

NEC 6AQ5 電力増幅用ビーム管

 

 

6AQ5の五極管特性を計測してみました。

 

五極管(6AQ5はビーム管ですが、ここでは五極管として扱います)のEp -Ip静特性はスクリーン・グリッドの印加電圧を固定し、パラメータをコントロール・グリッド電圧として、プレート電圧を変化させたときのプレート電流を計測します。サプレッサ・グリッド(またはビーム格子)はカソードの電位とします。

 

特にスクリーン・グリッド電圧によって五極管の特性は大きく変化するので、なるべく規格表に載っている例を採用しますが、異なるスクリーン・グリッド電圧でどのように特性が変化するか見るために1,2例別のスクリーン・グリッド電圧での計測も行うようにしました。

 

計測で注意すべき点は、過大なプレート電流もさることながら、スクリーン・グリッドに過大な電流が流れないように注意する必要があります。特にスクリーン・グリッドに過大な電流が流れると、プレートとは違って一瞬で昇天しかねません。

 

しかしプレート電圧が低い場合にはどうしてもスクリーン・グリッドに大きな電流が流れます。このためなるべく計測を瞬時に終わらせるようにしなければなりませんが、GP-IBを使用したシステムでは、あまり高速にはできません。したがって、球を捨てる覚悟で計測することになります。これが五極管特性をあまり計測したくない理由です。このためなるべく球を痛めないように、浅いコントロール・グリッドでの計測は避けるようにしています。

 

三定数は規格表に載っている条件をなるべく採用しています。ただし五極管の場合は増幅度(μ)は計測していません。

 

以前、6AQ5の三極管接続(三結)の特性を計測したものがありますので、三結での実測特性はこちらを参照ください。

 

参考:6AQ5 三結 電力増幅ビーム管

 

6AQ5はアマチュアでは送信機のファイナルの励振や、VHFの低電力送信機のファイナル、変調器の低周波電力増幅などに使われる人気のある球です。

 

今回はスクリーン・グリッド電圧としてGEの規格表に掲載されている250Vの場合と、その他200Vと180Vでの計測も行ってみました。

 

ヒータ電圧: 規定電圧 6.3V

カソード: 接地

コントロール・グリッド電圧: -26Vから0Vの間

サプレッサ・グリッド電圧: カソード電位(接地)

スクリーン・グリッド電圧: 250V, 200V, 180V 固定

プレート電圧: 0から250V

プレート電流保護は、損失5Wと50mAで制限

6AQ5_P1.jpg

6AQ5 Ep -Ip特性 Esg 250V(実測)

 

Esg 250Vの計測はEcg -10Vまでとしています。(Ip 50mAまでと制限しているため)

 

Ecgが深く(-26Vから-20V)、Epが低い(20Vから100Vの間)場合、IPが減少し(へこんでいる)、Isg(点線)が上昇(膨らんでいる)のは、プレート手前に滞留した電子の空間電荷の影響により、電子が反射してスクリーン・グリッドに流入したことによるものと思われます。 この現象は他のグラフでも同じです。ビーム管は一般的にこのような特性になりますが、メーカの規格表には、このIsgの膨らみが表現されていないものもあるようです。

6AQ5_P2.jpg

6AQ5 Ep -Ip特性 Esg 200V(実測)

6AQ5_P3.jpg

6AQ5 Ep -Ip特性 Esg 180V(実測)

 

 

 

6AQ5 NEC製

Class./Const. Beam Power Pentode

Outline 12-14

Base オクタル 7BZ 1.G1 2.K/G3 3.H 4.H 5.P 6.G2 7.G1

H.V - 5AQ5

Hv 6.3V Ha 0.45A MaxPw 12.0W MaxPv 275V MaxG2v 275V

実測:

Hv/Ha  6.3V / 437mA

Ecg -8.5V Ep 180V Esg 180V 

Ip 28.8mA

rp 68970Ω

gm 3980us

μ -

 

 

 

ご注意

この計測はどのくらい使われたかわからない中古の球で行われています。

 

 

 

6AQ5 NEC No.260

 

 

(JF1VRR)

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