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ロシアの三極管 6S19P(6C19N)

投稿日 2012/03/10

バルク品の6S19Pを二本購入したので、特性を見てみました。

 

二本の6S19Pは、それぞれ管理番号が188, 189です。

6S19P_1.jpg

試験中の6S19P

 

ゲッター鏡面の無いこの球は、なんというか.... 眉毛を剃った顔みたいで、個人的にはあまり好きになれませんが、内部の構造はユニークで、見てて飽きません。

 

プレートは二つに割れており、その間からグリッドとカソードが丸見えです。

 

従って、ヒータを点火すると、カソードが赤々と光るのが見え、ちょっとしたインテリアになります。

 

そうは言っても、構造はわりと簡単?で、マイカ板も厚く、頑丈そうです。

 

プレートにはフィンがあり、また1,3,6,8の4本のピンに出ていますので、放熱を考慮した配線ができるようになっているようです。

 

サイズは12BH7Aくらいの9pinです。

 

ヒータ電圧6.3Vで1Aくらい流れます。

 

管理番号 188: 0.9641A
管理番号 189: 1.0158A

 

スペックによれば±0.1Aとのことなので、その範囲に入っています。

6S19P_2.jpg

実測Ep-Ip特性 管理番号 188


 

この球はレギュレータ用ということで、内部抵抗が低いためOLTアンプで使われているようです。

 

プレート電圧が低く、グリッド電圧が深いのが特徴的です。

 

プレート電圧120V、グリッド電圧-50Vくらいが動作点かと思われます。

6S19P_3.jpg

実測Ep-Ip特性 管理番号 189


 

実測三定数は以下のようになりました。
プレート電圧 120V グリッド電圧-50V

 

管理番号 188 
gm(ms): 2.6
μ: 2.1
rp(Ω): 784

 

管理番号 189 
gm(ms): 2.0
μ: 1.7
rp(Ω): 686

 

スペックではプレート電圧120Vでグリッド電圧が-7Vのとき、内部抵抗が400Ωとなっていますが、
この設定ではプレート電流があまりにも流れるので、実験できません。

 

しかし内部抵抗が低いのは見て取れます。

 

OLTアンプでこの球を多数使うと、きれいなインテリアになり、暖房装置にももってこいかもしれません。




 

(JF1VRR)

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