温度調節計で遊ぶ 比例制御

投稿日 2011/10/23

計装システムで使用される温度調節計を入手しPID制御の勉強をしています。

 

前回はオン/オフ制御の実験をしてみました。このオン/オフ制御では温度調節計の真価は発揮されません。

 

今回はPID制御のうち。P(Proportional)すなわち比例制御を試してみます。

 

オン/オフ制御はハンチング、すなわち脈流のような挙動になります。これは制御出力を0%か100%かの2値で制御しているためで、行き過ぎては戻し、下がりすぎては戻すことを繰り返しているからです。

 

ハンチングの幅を短くするためには、熱源を頻繁にオン/オフしなければならず、リレーなどがもちません。

 

比例制御は、比例帯というものを設けます。その幅は目標温度を中心として、たとえば±1.5℃というように決めておきます。

 

比例帯から下に外れている(温度が低すぎる)場合制御出力を100%。上に外れている(温度が高すぎる)場合0%とします。

 

温度が比例帯に入った場合、その偏差によって制御出力を0から100%の間で加減します。温度が目標値であった場合50%出力(温度調節計によっては変更可能)となります。

 

比例制御の利点は、オン/オフ制御の場合発生する、オーバーシュートやハンチングが起こりにくいことです。前回の実験オン/オフ制御では、豆電球があまり強い熱源ではないためオーバーシュートは起こっていませんが、熱源の種類によってはオーバーシュートが起こります。

 

実験装置はオン/オフ制御のときと同じです。

 

今回入手した温度調節計UT150の制御出力はリレー接点しかありません。この場合制御出力はリレーのオン時間とオフ時間の割合(時間比例)で制御されることになります。これはいわゆるPWMです。(制御出力が4-20mAカレントループや電圧出力などで、熱源もそれで制御可能なものであれば連続的な制御が可能なのですが)

 

さてどのような実験結果になるでしょうか。

UT150_1.jpg

温度調節計 UT150

 

今回の実験装置とUT150の設定は以下の通りです。

 

温度調節計: UT150
温度センサー: K型熱電対 0 - 600℃

 

UT150のパラメータ
IN: 2 K型熱電対 0 - 600℃
SV: 25℃ 目標温度
CTL: P=0.5% I=Off D=Off -> 比例制御(比例帯幅は600℃*0.005=3℃に設定)
AT: Off (PIDのパラメータを自動的に設定する機能。今回は使わない。)
MR: 50% 温度がSV(目標温度)になったときの制御出力 50%に設定。つまりデューティー比50%です。
CT: 30秒 途中から10秒、20秒 時間比例制御のサイクルタイム。 制御出力をオン/オフする周期です。
FL: フィルターなし
BS: バイアスなし

 

外気温(室温)は24℃です。

UT150_5.jpg

オン/オフ制御と比例制御の比較 計測結果 約10分

 

比例制御でもパラメータを適切に設定しないとオン/オフ制御と変わらなくなりますね。グラフでCT 30秒ですとサイクルタイムが長すぎて、ハンチングが発生しています。

 

10秒にするとまずまずの制御になっています。ただし若干低いほうに落ち着いているようです。これがオフセットでしょうか。

 

20秒にするともう少し制御が荒くなります。(徐々に上昇(右上がり)している原因は不明です)





 

(JF1VRR)