
投稿日 2020/01/XX
6360 三結 電力増幅双四極管

松下製の6360
ガラス管の頭部にくびれがある
大型の9ピンMT管
VHFまで使える励振、または終段用双四極の電力増幅管です。
待望していた球でしたが、やっとオークションで入手しました。昔のタクシー無線に使われたようですが、アマチュアでも送信機の作例があるようです。オーディオでも稀に使われるようです。
6360は大型の9ピンMT管です。ピン配置は9PWです。ヒーターは12Vですが、中間タップが出ており6.3Vでも点火できます。第二グリッド(ビーム格子)とカソードは共通になっています。ピン配置図は以下の通りです。

この球については、「実用真空管ハンドブック」誠文堂新光社に紹介されていますが、特性や使用例などは「ナショナル真空管ハンドブック」が詳しいようです。ハンドブックには6360が送信管として12ページもさかれています。その使用例としては、いずれも両ユニットをプッシュプルで使用した場合ですが、高周波C級電信、高周波C級プレート、第二グリッド変調、高周波C級周波数3逓倍、低周波AB1級増幅および変調、低周波AB2級増幅および変調が掲載されていますが、残念ながら三結のデーターはありません。
今回は片ユニット毎と両ユニットのパラ接続の場合について、四極間としてのプレート特性と、三結でのプレート特性を実測してみました。
○6360 管理番号441 三結

Hv/Ha 6.3V / 484.4mA
Ecg -2V -4V -6V
Ep 90V 130V 170V
Ip 10.70mA 8.64mA 7.20mA
rp 2347Ω 2688Ω 3144Ω
gm 10440us 8880us 7460us
μ 23.0 22.2 21.4
○6R-P10 管理番号436 三結

Hv/Ha 6.3V / 487.6mA
Ecg -2V -4V -6V
Ep 90V 130V 170V
Ip 11.99mA 10.48mA 9.75mA
rp 2174Ω 2513Ω 2907Ω
gm 11100us 9180us 7680us
μ 22.6 20.6 19.8
注意: 三定数は手持ち電圧発生器、計測器の限界であまり精度のよいものではありません。
6360 No. 441
(JF1VRR)