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投稿日 2023年05月15日

ラショウモンカズラ.jpg

ラショウモンカズラ

埼玉県秩父市浦山細久保谷グミの滝付近にて

2023年05月10日撮影

この花を見つけたとき、すぐに名前が浮かんだのは「タツナミソウ」(立浪草)でした。でも、それにしては背が高くないか?と疑い始め、結局帰って調べてみたら「ラショウモンカズラ」(羅生門葛)であることが判明。​いずれにせよ、ラショウモンカズラもタツナミソウもシソ科。花形と、並んで一方向に向いて咲いている姿は、どこかシソの花に似ています。

​見つけたのは埼玉県秩父市浦山細久保谷グミの滝手前。下の方に沢音が聞こえる登山道の山側の斜面です。あったのはこの個体のみ。辺りに別の個体の気配はありませんでした。

ところで、羅生門葛の葛(カズラ)はどこから来ているのでしょうね。葛はクズ。ツル性で生育旺盛なあのクズです。ツル性でもないラショウモンカズラになぜ葛とついているのか不思議です。このあたりは牧野先生に聞いてみるしかないのでしょうか。

​牧野先生といえば、今でこそ植物はネットやカラー図鑑で調べることができますが、ネットはともかく、カラー写真の図鑑が出始めたのは私の子供の頃。最初は牧野先生の図鑑のような手描き線画の図鑑でしたが、それが彩色した絵になり、最近はほとんどが写真の図鑑になりました。それらを組み合わせた図鑑もなくはないのですが、カラー写真の図鑑などは、パチリと一方向から写しただけの写真で説明されているだけのものもあって、その写真だけでは識別がつかないことが多い。一見、実物を写してあるのだから、それ以上正確なものはないと考えがちですが、細かな部分の判別を必要とする植物図鑑では、手描きの絵が最適と思う。若い頃、欲しかった牧野先生の植物大図鑑。高くて手が出なかったが、買っていたら今頃手放せない宝物になっていただろうに。

(雅熊)

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