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経塚から旧定峰峠、高篠峠 2019年2月18日 晴れ 単独

投稿日 2019年02月19日

 

経塚は秩父郡東秩父村の白石地区にある一地域です。東秩父村は行政区画上秩父に属していますが、この地域と秩父盆地との間は500から700mくらいの稜線で仕切られているため、わざわざ外秩父ということもあります。秩父の外。つまり秩父に入るにはまだ5,600mくらいの峠を越えなければならないのです。そんな東秩父村から秩父に入る峠に、今回訪れた定峰峠があります

 

近年作られた車道が稜線を越えた所を定峰峠と呼ぶようになったので、昔巡礼者や荷駄が越えた峠は旧定峰峠と呼ばれています。地図を作る人のセンスの無さというか、どうせなら新しい方を新定峰峠として、昔からの峠はそのまま定峰峠としてくれればよかったと、惜しまれます。

 

今回は、経塚の長慶寺の駐車場をお借りし、旧定峰峠に登ってそこから稜線沿いに定峰峠、高篠峠と辿り、最後に白石峠から経塚に戻る周回ルートをとりました。旧定峰峠へは皆谷(新田)から朝日根を経由するのが旧道らしいのですが、不明瞭とのことで、今回は経塚からとしました。

 

これらの峠のうち昔から在って今でも峠の姿が残っているのは車道のない旧定峰峠だけで、高篠峠と白石峠は車道の分岐点となっているため昔の様子をうかがい知ることはできません。定峰峠も車道の分岐点になっているので峠らしさはありません。

 

今回のルートは、全体的に道は明瞭で迷うようなところはありません。今回は高篠峠に寄りましたが、電波塔の手前から直接白石峠に降りることによって2kmくらいカットできるでしょう。

 

この辺りの山は全体的に変成岩で構成されているようです。特に白石峠を源頭とする槻川の緑泥片岩の沢床は見事です。

20190218_旧定峰峠01.jpg

(画像を一度左クリックし、次に右クリックして新しいタブで画像を開いて拡大してご覧ください)

東秩父村白石地区の経塚から旧定峰峠に登り、高篠峠、白石峠を経て戻るルート

赤実線:歩行GPS軌跡

(国土地理院の電子国土地図に情報追加)

 

通過時刻:

経塚の長慶寺駐車場 9:30

旧定峰峠入口(経塚バス停) 9:36

旧定峰峠 10:30

獅子岩 10:52

基準点のあるピーク 11:05

定峰峠 11:19

P828 11:50 (昼食) 12:11

電波塔 12:41

高篠峠 13:05

白石峠 13:34

白石峠登山口 14:09

白石車庫前バス停 14:30

経塚の長慶寺駐車場 14:47

 

所要時間:5時間15分

総歩行距離:12.9km

累計高度: 872m

 

 

車で国道140号を走り、寄居の手前で県道294へと進みます。鉢形城址を見て大内沢沿いを走って落合で右折。県道11号に入り白石地区を槻川沿いに走ります。のどかな谷合の山村を進むと右上にお堂がある長慶寺が見えてきます。道路を挟んだ反対側に東屋がしつらえられた駐車場があります。今回はここをお借りしました。

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長慶寺の駐車場

奥にP828が見えている

 

長慶寺へは傍の急な石段を上がります。今日の安全をお願いしてスロープを下るとバス停があります。経塚のバス停です。バス停脇の林道が登山口です。細い林道を沢音を聞きながら歩きます。

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経塚のバス停(小川町とを結ぶイーグルバス)と

旧定峰峠への登山口(林道を奥へ)

 

やがて山道に入ります。昔からよく歩かれているのでしょう。窪状の道に落ち葉が溜まっています。ところどころ顔を出す変成岩。この辺りは三波川変成帯の一部です。どの岩もどの石ころもすべて変成岩と言ってもいいくらいです。

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旧定峰峠への道

見えているピークはP701

光の春を感じる小径

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旧定峰峠

切通しのような形になって秩父側に越えている

 

やがて右から舗装林道が合流。降り立ちます。少し林道を歩くと道標があり再び山道へ。数分で峠が見えてきます。旧定峰峠です。板状の緑泥片岩で囲まれた石祠が祭られています。道標に従って南下します。歩きやすい尾根道です。左下に細い林道が見えています。

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獅子岩

獅子に見えるだろうか

 

少し急になると露岩が出てきます。獅子岩の標識があります。側の岩が獅子岩でしょうか。獅子を横から見たような感じもしますが、いまいちピンときません。樹間から笠山や堂平山が見えています。更に登るとP701です。平凡なピークです。

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伐採地から笠山(左)と堂平山(右)

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定峰峠

茶屋がある

バイクや自転車が多い

 

好展望の伐採地から少し下ると定峰峠です。舗装道路が交差しています。茶屋もありますが、シーズンになると営業するのでしょうか。バイクや自転車のよい休憩場所になっているようです。峠からすぐに反対側の尾根に取り付きます。やや急な痩せ尾根です。りっぱなステンレスの手すりが付いた急坂を登ります。P828も平凡なピークですが、樹間から山並みが見えるので昼食にしました。

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高篠峠

秩父、ときがわ町、飯能、横瀬の各方面からの車道が交差する

 

一部分急なところがある下り道で一端鞍部まで下って再び登り返します。左へ白石峠へのパスがありますが、真っすぐ登ります。雪が残っています。やがて大きな電波塔の下に出ます。

20190218_旧定峰峠10.jpg

白石峠の東屋

休憩にちょうどよい

この裏手が槻川の源頭で、沢沿いに白石への道がある

 

電波塔からは舗装道路をしばらく歩きます。カーブのところで尾根に取り付きます。基準点のある小ピークを越えて、急坂を下ると舗装道路に降り立ちます。すぐ先が高篠峠です。

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槻川の源頭部

緑泥片岩の沢床

 

高篠峠も舗装道路が交差して広くなっています。まったく峠らしさは失われています。傍らに昭和八年 村の青年団が設置した道しるべがあります。尾根の末端の笹藪の中に屋根だけの石祠があります。この屋根だけの石祠は緑泥片岩で作られており、緑色をしています。壊れているのが惜しまれます。

20190218_旧定峰峠12.jpg

白石車庫のバス停

 

高篠峠から舗装道路を白石峠に向かいます。白石峠も舗装道路が交差しています。東屋があるので休息します。東屋の下に槻川源流の碑があり、その前が白石への下降路です。

 

下降路を下るとやがて槻川の流れが出てきます。この辺りは緑泥片岩の川床で、緑色の石が転がっていてとてもきれいです。しばらく下りと舗装林道に出て、民家が見えてくると白石の集落です。白石車庫バス停を通過してしばらく歩くと、ほどなく経塚に戻ります。

 

東秩父村の白石地区は谷合ののどかな山村で、今回の様な天気の良い日には、お年寄りも家の前に出て日向ぼっこ。初春の陽も明るさが増して、野鳥もさえずりも澄みきっていました。早朝、多少寒くてもこうして出かけてみれば、春を体いっぱい感じることができる一日を過ごすことができました。帰りはお風呂に行かず、江南町の大沼公園に寄って日本最古の石塔婆を見て帰りました。

 

 

 

(熊五郎)

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