北西稜から小沢岳、椚峠 2018年12月19日 晴れ 2名

投稿日 2018年12月21日

 

今年も押し迫ってきました。若い頃は年末の休暇を利用して冬山に出かけたものですが、今はそうもいきません。ということで、今年締めくくりの山として西上州(群馬県南西部)の小沢岳(おざわだけ)に熊谷のYさんと登ってきました。

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ピラミダルな姿の小沢岳

坊主淵付近から 2000年4月16日撮影

 

小沢岳は西上州南牧村(なんもくむら)のピラミッドと言われ、下仁田(しもにた)から南牧村へと車を進めると、特徴的なトンガリ頭をもたげているのがわかります。山頂からの展望は申し分のない大展望で、めずらしい大日如来が鎮座まします。

 

麓にある集落の椚(くぬぎ)では、江戸時代から良質の石「椚石」が産出し、作業小屋では今でも石切り作業が、カチンカチンと行われていました。この椚石は堅くてきめが細かいく加工もしやすいので石碑、石柱などのほか、建築材としても使われているようです。大蔵省や日銀で使われているようです。明治15年設置の原三角測点の標石でも使われたようです。

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桧沢岳から見た小沢岳

2001年5月19日撮影

 

小沢岳の一般登山道は1本しかありません。七久保集落の下の林道に車を置いて青倉川沿いに椚峠まで林道を辿り、峠から往復するものです。昔は椚峠から、更に八倉峠(ようくらとうげ)を越えて上野村側との往来もあったようですが、今は椚峠周辺の道は消えてしまったようです。まだ記憶に新しいですが、数年前に70過ぎの夫婦がこの山で遭難しています。ハイキング程度の山といっても注意したいものです。

 

今回は山頂から南牧川側の麓の磐戸(いわど)まで延びる尾根(小沢岳北西稜 仮称) から登ってみました。下山は一般道を椚峠にとり、いまでは廃道となった椚沢川沿いに磐戸に戻りました。

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磐戸から北西稜で小沢岳

一般道で椚峠へ下り椚沢川沿いの踏み跡を磐戸に戻る

緑破線:予定ルート 赤実線:歩行GPS軌跡

(国土地理院電子国土地図に情報追加)

 

 

通過時刻:

南牧村活性化センター駐車場 7:44

石祠 8:29

最初の露岩 8:47

P712 9:19

P891 10:29

一般道合流 11:24

小沢岳山頂 11:30 (昼食) 11:50

椚峠 12:33

白手坂林道 椚沢への下降点 12:45

椚沢沢床(石祠) 13:00

取水設備 13:42

林道 13:44

椚沢川二俣(鳥居、石祠) 13:53

椚集落 14:00

南牧村活性化センター駐車場 14:26

 

総歩行距離: 10.3km

所要時間:6時間40分

登山開始標高:354m

最高標高:1088m

標高差: 743m

累計高度:1037m

 

 

とても空気の透明度がよい朝でした。上信越自動車道からは妙義山や浅間山、御荷鉾山などが、山肌あらわにくっきり見えていました。谷川岳などは真っ白です。

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南牧村活性化センター

広い駐車場をお借りした

写真の右側の斜面に墓地があり林道が入っている

 

下仁田町ICから南牧村へ向け県道45号 下仁田上野線を走ります。名前のとおり、この道は湯の沢トンネルで上野村側に抜けています。南牧村は南牧川に沿ってわずかな平地や斜面を利用した集落が点在しています。そんな集落の中でも比較的大きい磐戸の南牧村活性化センターの駐車場を利用させていただきました。

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地図上に表現されている岩塔(二つ目)

どこでも登れそうだがやや右の斜面を登る

 

8時前に着きましたが、風はなく陽光がまぶしくて、登山日和です。身支度を整えてセンターから見える墓地の傍の林道を歩き、二度ほど屈曲した後の曲がり角にある大岩の角をきっかけにして植林の斜面に入ります。わずかに踏み跡がありました。

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三角の岩塔が現れる(三つ目)

 

登り始めていきなり露岩が現れます。一つ目の岩です。左側に回って上に出ます。30分ほどの急斜面です。急斜面をすこし頑張り、尾根に乗った感覚になるとやや傾斜が緩みます。このあと尾根は極端に痩せたり、岩道になったりもしませんが、いくつか岩塔状の露岩が現れるのが特徴です。したがって、それらの露岩を越えるためのルートファインディングがこの尾根登りのポイントです。岩塔はいずれもやや風化が進み崩れやすくなっていますので、落石などに要注意です。

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四つ目の岩塔

直登できそうだが右にへつってから左上に上がる

 

植林帯で享和二年壬戌の石祠を見て、更に進むと古いテレビアンテナの残骸が二か所あります。やがて地図上でも存在が分かる露岩に到達します。二つ目の岩です。この露岩は山頂からも見えるもので、地図上でも表現されています。よく見るとうっすら踏み跡があので、よく見極めながら、ほぼ直登します。岩の上からの展望はよく、椚の集落も見降ろせます。露岩の反対側は落ち葉の急斜面になっています。すべり落ちないように慎重に下ります。見方によっては岩を登るよりも危険です。鞍部まで降りたらから引き続き尾根上をたどります。

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五つ目は岩壁

登るのは無理なので基部を巻く

 

次の露岩はP712のピークの手前です。廃アンテナを通過すると三角形の大きな岩塔が現れます。三つ目の岩です。基部に達したらやや右上に向けて登り、鋭角に折り返して右に回り込むように登ります。木の根が巻いたバンド状を登りきって右へ急傾斜を登ると岩の上に出ます。P712です。ここも好展望です。

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小沢岳のピークと北壁が見えてきた

 

更に進むと岩壁が立ちふさがります。四つ目の岩です。ここは岩の基部を右へへつり気味に回り込み、岩を回りこむ形で急斜面を登れば岩の向こう側の尾根上に戻ります。

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小沢岳山頂の大日如来

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椚峠の椚への道標

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この目印から小尾根を椚沢川に向けて下る

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白手坂林道をしばらく歩く

 

一般道と合流したら左上に少しで山頂です。山頂付近は日差しがあるものの、風が強くなっていました。大日如来にお礼を言って昼食。北壁上から西上州のほとんどの山々が見える大展望を楽しみました。

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北壁の上から辿って来た尾根を眺める

 

関連記事:西上州 小沢岳からの展望

 

次のP891で三角形の小沢岳の山頂部が姿を現します。更に進むと目前に登りたくないような灌木の急斜面が現れます。登っても行けると思いますが疲れますので、右へ巻くように斜面をへつります。しばらくへつって尾根に戻ると小沢岳の北壁が見えます。この北壁のため山頂へは直登できません。すこし進むと大きな岩壁が立ちふさがりますが登れません。五つ目の岩です。これも基部まで近寄って右へ回り込み植林の斜面を登ります。間伐された丸太がごろごろしている斜面を無理やり登って行くとあっけなく一般道に飛び出ます。

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椚沢川の様子

踏み跡ははっきりしないがピンクのリボンに誘導される

 

下山は一般道を椚峠にとりました。椚峠からは直接椚沢川沿いに下る予定でしたが、白手坂林道をしばらく歩き、途中に下降地点の目印があったのでそこから椚沢川に降りました。降り着いたところに石祠がありました。登るときの目印になりそうです。沢沿いは消えかけた踏み跡ですが、ピンクのリボンが誘導してくれます。堰堤を通過して取水設備を見、鳥居と石祠を見ると林道に降り立ちます。

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椚石の石切り場

江戸時代から現在まで採掘が行われている

 

椚の集落ではいまでも椚石の採掘が行われていました。のどかな山村を歩いて庚申塔群を見たら南牧村活性化センターはすぐでした。お風呂は南牧村には無いので、荒船の湯に回るか、トンネルを越えて上野村側にある塩之沢温泉やまびこ荘のいずれかになります。今回はやまびこ荘で熱い湯につかりさっぱりして帰途に着きました。

 

 

 

(熊五郎)