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根本山 2018年11月21日 晴れ 2名

投稿日2018年11月22日

 

群馬県桐生市(きりゅうし)の名峰「根本山」に登ってきました。根本山は、数ある桐生の山々の中でも最奥に位置する標高1199mの山です。群馬県と栃木県の県界で、桐生川の源流域です。この辺りの沢は美渓で、秋は紅葉がすばらしいようです。

 

また根本山は古くからの信仰の山として登られていたようです。根本沢にある籠堂跡(こもりどう)まで丁石が点々と設置されており、また、享和、文政、天保、安政、嘉永年間などの石祠や石標、石灯篭、江戸時代の梯子や、行者山の近くに江戸時代のクサリなどが残っており、当時盛んに歩かれたようで、往時が偲ばれます。特に籠堂跡と籠堂上の岩場の滝場に不動明王が鎮座することから修験の場所であったと思われます。

 

登山ルートは主に不死熊橋(ふじくまばし)からの根本沢ルートと中尾根ルートが使われるようですが、根本沢ルートで山頂まで登る場合は上部に岩場があり、熟達者向けとなっていますので、入山には注意が必要です。根本山山頂からは十二山から熊鷹山方面、三境山方面への踏み跡があります。

 

今回は、不死熊橋から、歴史感あふれる根本沢ルートを登り、岩場を経て、根本山山頂から中尾根を下って不死熊橋まで戻る周回ルートとしました。なお根本沢ルートは、籠堂跡の上から根本山神社奥社までが岩場でクサリが連続するため、下山には不向きと思います。

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(画像を一度左クリックし、次に右クリックして新しいタブで画像を開いて拡大してご覧ください)

根本山 根本沢ルートを登り中尾根を下降

赤実線:歩行GPS軌跡

(国土地理院電子国土地図に情報追加)

 

通過時刻:

駐車スペース 7:27

不死熊橋根本沢登山口 7:34

丁石 二十丁 7:47

丁石 十丁 8:40

大割沢出合 9:02

二基の石祠 9:20

根本山神宮の石標 9:30

籠堂跡 9:36

鉄ハシゴ 9:43

大天狗の石標 9:50

根本岩神社本社、釣鐘堂(岩場下) 9:55

獅子岩 10:04

根本岩奥社(岩場上) 10:15

行者山 10:28

中尾根十字路 10:48

根本山山頂 10:58 (昼食) 11:20

中尾根十字路 11:31

石祠 12:14

中尾根登山口 12:42

不死熊橋 12:56

駐車スペース 13:04

 

所要時間:5時間37分

総歩行距離:約7.9km

 

熊谷のYさんと国道50号、122号と走って桐生市街を抜け、桐生川沿いに桐生市梅田町を走ります。桐生川ダムの梅田湖を右に見て、更に奥へ進みます。点々と民家がありますが、道は狭くなり桐生川の源流域へ。左の路肩に駐車スペースがあります。

 

根本山登山口の大きな看板があり、林道を少し歩くと不死熊橋の手前に「根本山参詣路の歴史遺産案内図」や登山ルート図などがあり、登山届のノートが置かれています。登山案内図を一枚いただいて、いざ出発です。

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不死熊橋と根本沢ルート登山口

いきなりロープのある岩場で始まる

 

根本沢ルートは不死熊橋からいきなりロープのかかる岩場で始まります。沢を高巻く形で始まる道ですが、やがて沢筋に降りると丁石の二十丁があります。

 

紅葉が終わりかけの美渓をところどころ渡渉(といっても濡れない)しながら、看板やピンクリボン、赤テープなどを確認しながら進みます。金網と石で作られた護岸の下に金属の橋がかかっています。この後もいくつか橋がありますが、丸太の橋で不安定ですので要注意です。

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丁石 二十丁

このような丁石が籠堂跡まで点々と立っている

 

丁石を確認しつつ進みますが、時々高巻く形で道が付けられているので、高いところを通過することも多く、滑落しないように注意が必要です。やがて、金穴沢、大割沢、小割沢出合を通過し、尚も進むと二基の石祠が並んでいます。

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美渓を行くYさん

道は沢に降りたり、高巻いたりしながらついている

高いところを行く道は滑落に注意

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美渓を行くYさん

紅葉が美しい

 

沢は大きく右に湾曲し、両岸が迫ってくると石塔や石段、石標などが目立つようになり、突き当たりの二俣に籠堂跡があります。右の狭い沢筋を行くと不動滝があって不動明王が鎮座するようですが、我々は省略しました。左の沢筋を回り込んで、岩場を江戸時代の梯子で登るとクサリのある岩場があり、その上に石標や石仏があります。右上方に釣鐘堂と根本神社本社が見えてきます。根本神社奥社は天正の時代、つまり戦国時代から建立されていたようで、古い歴史をもちます。釣鐘堂には鐘があり、撞くことができます。

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根本山神宮の石標

文政十二年(1829年)に寄進されたようだ

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籠堂跡

沢の二俣の合流部にあるが、今は石塔などがあるだけ

ここから右に入ると不動滝

左に回り込むと根本山神社本社方面

 

釣鐘堂の前から岩場が始まります。クサリを使って確実にスタンスを確保して登って行きます。そんなに難しい岩場ではありません。途中に獅子岩があって、日光白根などの山が望めます。ことしの日光白根はまだ白くなっていませんでした。

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江戸時代の鉄梯子

一見普通に見えるが、頑丈で重そう

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釣鐘堂と根本神社本社(右)

崖っぷちに建っており、今にも落ちそう

 

獅子岩の上も岩場が続きます。傾斜がやや緩くなりますが引き続きクサリがかかっています。岩場の上には根本神社奥社があります。石灯篭と石祠が痩せ尾根の上にあります。更に登って行くと行者山です。ここまで来ればひと安心ですが、行者山のやや根本山山頂寄りの斜面に岩場があります。ここには江戸時代のクサリがかかっています。

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根本山神社本社の前にある岩場

スタンスはあるので、ゆっくり登れば問題ない

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獅子岩の上の岩場

 

一度鞍部に降りて登り返すと中尾根十字路です。屋根のみの石祠を見て、樹間に見え隠れする日光の山々や、皇海山、袈裟丸山などを楽しみながら歩くと根本山山頂 標高1199mです。ときおり野鳥がさえずる静かな山頂です。下山は中尾根十字路に戻って、中尾根ルートで不死熊橋まで戻りました。

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根本山神社奥社

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根本山山頂 標高1199m

左は三境方面

右は十二山方面

 

根本山は古くは戦国時代の天正年間から信仰されてきた山のようです。それだけに歴史的な遺物が多く、特に江戸時代の鉄梯子やクサリは一見の価値があります。沢筋は美しく、岩場があって、ちょっと薬味の利いた登山が楽しめる山です。機会があったら、十二山や熊鷹山、三境山方面なども計画してみたいと思っています。

 

 

 

 

 

(熊五郎)

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