top of page

山の樹木 コナラ(小楢)

投稿日 2017年12月10日

山を歩いているとさまざまな樹木に出合う。一目で分かる木から、会ったこともないような木までさまざまだ。

 

今回はコナラ(小楢)。いわゆる落葉のドングリの木のひとつだ。

コナラ01.jpg

コナラ(小楢)の幹

幅18cm位

埼玉県秩父郡長瀞町 陣見山にて 2017年11月17日撮影

 

 

関東の山を歩いていると、この木に出合う確率は非常に高い。つまり明るい自然林を構成する代表的な木だからだ。

 

樹皮は明るい灰色で、一見コンクリートでできているのではないかと思うほどだ。しかし、どんな名左官でも、コンクリートの壁にこの造形を生み出すことはできないのではないだろうか。この幹のひび割れのようなものは、決して外からの力で作られたものではないからだ。内側からその木の命が噴出させたものなのだ。

 

コナラはドングリを落とすので、秋、登山道を下を向いて歩いていてもすぐに分かる。その数はおびただしく、集め出すとすぐにポケットがいっぱいになってしまう。

 

このドングリ、鳥には少々大きくて重たい。やはりリスや猿などが運ぶのだろうか。私は、ドングリの運び役は斜面と重力ではないかと思っている。ドングリはやや長めの丸い形をしているので、斜面を転がりだすと、四方八方に転がっていく。

コナラ02.jpg

コナラ(小楢)の紅葉

埼玉県秩父郡長瀞町 陣見山にて 2017年11月17日撮影

 

 

コナラはまた椎茸(シイタケ)栽培の原木としても使われるようだ。椎茸だからシイ(椎)から作るのかと思ったら、コナラも使うらしい。山のやや暗い場所に、1mほどに切って互いにもたれ掛ける形で組んである。場合によっては日よけもしてある。

 

コナラは、もうひとつ人間に役立っている。木炭を作るのだ。山には昭和初期くらいまで行われていたであろう炭焼き窯をみかけることがある。その多くは天井が落ちているが、一目で釜と分かる。日本の山里には炭焼きを生業としていた里が多かったのだろう。焼いた炭を担いで、峠を越えて売りに行く。そんな生活があった。

 

最近その炭焼きがすたり、伐採が行われなくなったためだろうか、抱えても手の届かないような大木を低山でもそこかしこに見る。そんな肥ってしまったコナラは炭焼きには適さないだろう。昔の人が見たらどう思うだろうか。

 

コナラのある明るい尾根筋を歩いていると、心がさわやかになり落ち着いてくる。

 

 

 

 

(熊五郎)

コメント(2)

  • 隣の公園にもありますよ。孫たちが小さいときは沢山あそばせてもらいました。 (agewisdom) 2017/12/10(日) 午後 0:18

  • > agewisdomさん だれでもドングリ拾いを一度はやったことがありますよね。(熊五郎) 2017/12/10(日) 午後 4:50

     

bottom of page