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三合落(さんこつ) 2017年10月08日 晴れのち曇り 3名

投稿日 2017年10月09日

三合落は両神山の山頂 剣ヶ峰から直接派生する尾根が東端にある四阿屋山(あずまやさん)に至るまでのほぼ中間点にある標高1115.1mのピークです。今回は薬師の湯に車を止め、四阿屋山から両神山に向かって尾根筋をたどり、三合落を目指しました。三合落からは両神薄(すすき)の竹ノ平に向けて尾根を下降しました。四阿屋山以降はすべて一般登山道ではなく、踏み跡程度です。

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(画像を一度左クリックし、次に右クリックして新しいタブで画像を開いて拡大してご覧ください)

薬師の湯 四阿屋山から三合落、両神薄 竹ノ平ルート

(国土地理院電子国土地図に情報追加)

 

我々が登った10月8日は、ちょうど両神薄 竹ノ平の諏訪神社の秋祭り。下山してバス停に向かおうとしていると、太鼓と笛の音に導かれて境内へ。バスの待ち時間を利用して獅子舞を見物しました。祭りが終わってもなお時間をもてあました我々がバス停で待っていると、土地の古老が話しかけてきました。「両神山の登山者は多いが、途中のこの辺りで登山者を見かけるのはめずらしい。どこから来たのか。」と問うので、四阿屋山から尾根伝いに登って降りてきたというと、「この奥に”さんこつ”という山があるが、それに登る人はほとんどいない。」というので、”さんこつ”とは三合落のことかと聞くと、そうだという。正にその”さんこつ”から降りてきたというと、少し驚いたご様子。

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日蔭からの三合落

(2018/09/13写す)

 

その古老の話によると、浦島の奥にある金剛院(両神御岳神社)の修験道が三合落から両神までの尾根筋(辺見尾根と思われる)を修行の場としていたとのこと。(そういえば一位ガタワ辺りに石仏が多数ある。) 三合落という山名の由来までは聞けませんでしたが、このあたりでは「さんこつ」と呼んでいるとのことでした。(昭文社の地図では両見山となっていますが、三合落が正しいようで、読み方は地元の古老に従って”さんこつ”としました。両見山については金剛院の上の748mのピークがそれのようです。小暮理太郎はその著書「奥秩父」で浦山(権現社別当金剛院、本山派修験)から両見山に登って、長い尾根を西に向かい、二子山、三笠山などを経て....と書いているが、両見山がどこなのかは明確にしていない。)

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両神薄 竹ノ平 諏訪神社の獅子舞

 

諏訪神社の獅子舞についてはネットに情報がありますが、秩父の獅子舞としては古い形を残し、獅子頭や衣装もよく古式を継承しているようです。隣の小森の諏訪神社でもすこし時期をずらして祭りがあり獅子舞が奉納されるようですが、こちらは歌舞伎の上演もあるようです。一度見たいものです。

 

10月8日は吉田の龍勢の日でもあり、またあちこちで祭りや運動会が行われていたのでしょうか。山内に合図花火の音が一日中パンパンと響き渡っていました。

 

 

この日は朝からよく晴れて絶好の登山日和となりました。いつもの熊谷のYさん、Aさんと三人で出かけました。車を薬師の湯の駐車場に止め、3月ごろは福寿草で有名な四阿屋山に登ります。今は福寿草の気配はなく、まだまだ紅葉には早い緑濃い樹林の下です。山頂手前の両神神社の社にお参りをして、鎖のある岩場を通過し、大堤からのつつじ新道を合わせたらすぐ山頂 標高772mです。四阿屋山の山頂はせまくアセビなどの藪の中ですが、これから進む尾根に三合落のひときわ目立つピーク、さらに奥に両神山が望めます。

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四阿屋山山頂から両神山(右奥)と三合落(中央やや左のピーク)

 

 

四阿屋山の山頂から数m戻って最後の鎖場の標柱を左に見て、右側の藪のうるさそうな小尾根を下降します。すこし急な藪の斜面を数分下るとすぐにゆるやかな尾根となります。鹿やイノシシが利用するヌタ場を見て小さなアップダウンを繰り返しながら進みます。大きな尾根にぶつかって急斜面となりますが、直接相手にせず斜め右上に巻きながら登ります。植林帯の広い尾根に出て、更に進むと標高986mの明るいピークに至ります。時々ドングリが上から落ちてきますが、ここで昼食としました。

 

昼食を済ませてなおも進むと、ルートが直角に折れるところで、派生尾根へと下降してしまいました。数十メートル下降して間違いと気付きましたが、本ルートよりはっきりした尾根なので間違いやすいところです。戻って鞍部まで下り、少し登り返して小さなピークを右に巻いて鹿除けネットのある斜面を登ると、右下への今回下降に使う尾根を確認。更に山頂を目指します。山頂直前は右下が切れ落ちて下が見えません。三合落の山頂は標高1115.1m。三角点があります。

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三合落(さんこつ)山頂

三角点がある。樹林で展望はほとんどない

 

 

下降はさきほどの尾根の分岐点に戻り、傾斜のきつい藪の斜面を下ります。今回のルートで最も注意を要するところですが、想像していたような露岩の斜面ではなく、藪の斜面でした。20分ばかり慎重に降りてゆくとやがて緩やかになり、明るい尾根筋となります。892mのピークから、古びた社のあるピークを経て、742mのピークを越え、やや右寄りに進むと林道が見えてきます。

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下降途中の尾根から、二子山

 

 

尾根の末端まで忠実に進めば、林道への下降点があります。林道に降り立ったら右に進み、浦島の集落から竹ノ平まで歩きました。林道の途中には不動の滝があり、近くの壁からははおいしい水が落ちています。

 

この日は天気がよく気温の高い日で、かなり汗をかきました。午後からは曇ってややすずしくなりました。最後に降り立った林道は地図には明確な記載がありません。今回、金剛院には寄りませんでしたが、機会があれば修験道の寺としてどんなところか見てみたいものです。林道をてくてく歩いていると、秩父の武甲山や美の山、皆野の町、長瀞あたり、釜伏山や秩父高原牧場あたりがよく見えました。バス停が近付くと、なにやら太鼓と笛の音が聞こえてきました。バス停の待合所に荷物を置いて、急な階段を上って神社の境内へ。竹ノ平 諏訪神社の獅子舞を見られたのはラッキーでした。

 

小鹿野町営バスで薬師の湯にもどりさっぱりし、昔活躍した修験道の道場だった両神山の様子を想像しながら帰途につきました。

 

 

参考

 

四阿山山頂直前の鎖場の通過は要注意です。

 

四阿屋山から三合落までの尾根筋は平凡なアップダウンです。左(南側)は主に植林帯です。目印はほとんどありません。

 

尾根筋は忠実にピークを拾っていきますが、ところどころピークを巻くような踏み跡があります。(獣の踏み跡程度)

 

三合落直前は奈落の底のように切れ落ちています。通過注意

 

三合落から竹ノ平への下降点は少し戻ったところにある派生尾根です。非常に急な藪ノ斜面です。20分ほどで緩い尾根筋になります。この尾根筋は林道直前まで古い赤テープが目印です。

 

通過時刻

薬師の湯バス発着所近くの四阿屋山登山口(薬師コース) 7:37

両神神社奥宮社 9:06

四阿屋山山頂 9:28

P986m 11:30 昼食 12:00

三合落 13:12

P748(両見山) 14:50

林道 15:02

竹ノ平のバス停(浦島口) 16:03

小鹿野町営バス 17:43 で薬師の湯へ

 

所要時間 約9時間

総歩行距離 約16.1km

 

 

 

 

 

(熊五郎)

 

 

コメント(2)

  • 三合落、面白い名ですね。もちろん読めませんしね。地名って面白いですねえ。 (agewisdom) 2017/10/9(月) 午前 11:42

  • > agewisdomさん 読も方や発音は現地の方に聞いてみないと分かりません。漢字は当て字が多いですから、読みの意味を素直に表していないことが多いです。(熊五郎) 2017/10/9(月) 午後 5:09

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