桐生の山林火災

投稿日 2017年02月19日

平成26年(2013年)の4月15日の深夜11時ごろ 群馬県桐生市菱町にある桐生川の支流 黒川の上流部(黒川ダム付近から上流部)で山林火災、いわゆる山火事が発生した。

 

群馬はもちろん、栃木、茨城、埼玉、山梨、新潟、福島から計55機ものヘリコプターと、消防団員等延べ1571名が消火にあたったが、鎮火は5月2日となった。(碑文より)

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桐生市菱町一色にある山林火災の碑

 

当時のニュース等では黒川ダム周辺の400ヘクタールが焼けたとなっているが、後に建てられた「山林火災の碑」によれば、群馬県桐生市と栃木県足利市の総被害面積は263ヘクタールとなっている。この面積は東京ドーム56個分にもなる広大な面積だ。

 

もともとこの仙人ヶ岳周辺の山域は、昔から山火事が多かったようで、登山で山内を歩くと、ところどころにうるさい位、山火事防止を呼び掛ける看板が設置されている。

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実際、一般登山ルートを歩くと、かなり古い焼け焦げた木がまだ散乱している場所があるし、登山の道標さえも焼けたものがまだ使われている。一般登山ルート以外の場所でも、古い山火事跡が広範囲に見られ、沢筋には岩などととも、真っ黒な炭が混ざっている場所もある。

 

平成26年の火災は大規模で、仙ヶ沢(前仙人) 標高468mを最高点とした黒川上流部を取り囲む山域が広範囲に焼けており、山の斜面は無残な状態になっている。

 

山火事の広がり方はそのときの風向きや強さなどに影響されると考えられるが、上に向かって燃えて行く炎は、風に逆らって尾根や稜線を越えることは少ないようだ。このため尾根筋を境にして片側には被害が無いが、反対側は完全に燃えてしまっているような場所が多い。逆に風下側の尾根の場合は、炎はそれを越えて燃え下るようだ。実際、県境を越えて栃木県足利市側もかなりの面積が焼けている。

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黒川上流部の山林火災の様子

真っ黒な植林杉が立ち並んでいる

かなり燃えた木の伐採が進んだが、この辺りはこれからのようだ

遠くに桐生の街並みが見える

 

尾根筋を通る登山道は少なからず影響を受けるようで、木が無くなって風雨をまともに受ける状態の道は、表土が流出して岩がむき出しになり、ガレ状になる傾向があるようだ。実際この山域では仙ヶ沢から荒倉山、鷹ノ巣沢あたりまでは、痩せ尾根の上に炭化した木が並んでおり、足元はガレているので、通過には注意を要する。

 

現在、火災があった山域はかなり伐採が進み、先日見た限りでは栃木県側はすでに植林も行われていた。広葉樹の幼木が植えられていたのは、私にとってはうれしいことだ。群馬県側は重機が入って、道を作り、伐採がかなり進んでいる。しかしまだ黒く焼け焦げた杉が不気味に立ち並んでいる場所もある。

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伐採が行われ、鹿避けネットが張られている

これから植林するのだろうか

奥に仙ヶ沢(前仙人)のピークが見える

 

最近は重機によって簡単に林道がつけられてしまう。登山道が無視されたかのように分断され、かなりの急斜面にも、容赦なく重機が登った跡が付けられる。尾根は新たな林道で分断される。これらは木が成長すれば落ち着いてくるものだが、火災後の処理として仕方が無い事かもしれない。なんとかなるべく山にやさしい方法をとってほしいものだ。

 

最後に「山林火災の碑」にはこう刻まれている。

 

 

「甦れ緑よ」

 

 

消火に全力を注いだ関係者の方々に感謝しつつ、はやく山に緑が復活し、小鳥たちが返ってくるように祈るばかりだ。

 

 

 

 

 

(熊五郎)

 

コメント(2)

  • 本当に早く緑の山林が復活してほしいですね。 (agewisdom) 2017/2/19(日) 午後 9:18

  • > agewisdomさん そうですね。今は鹿が増えており、植林も大変なようです。(熊五郎) 2017/2/20(月) 午前 10:32