椚峠から日影山、八倉峠、平原集落へ下降 2016年11月16日 晴れ 単独

投稿日 2016年11月17日

 

一度訪れてみたかった「八倉峠」(ようくらとうげ)。

 

「万場」と「下仁田」を結んでいた峠でしょうか。標高は1260mほどあり、比較的高所にある峠です。

GPS_20161116_椚峠から日影山.jpg

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椚峠から日影山、八倉峠、スーパー林道、平原集落、七久保周回ルート

スーパー林道以外は道がなく、一般向きではありません

(国土地理院電子国土地図に情報追加)

 

 

通過時刻 (総所要時間 6時間)

七久保橋下駐車地 8:58

椚峠 9:36

P1141 10:35

八倉峠-日影山JP 11:18

日影山 11:36 (昼食) 11:55

八倉峠-日影山JP 12:10

八倉峠 12:18

平原への尾根下降点 12:45

林道 13:51

平原集落 宮社 14:00

平原集落下 14:14

七久保橋下駐車地 14:55

 

標高差と歩行距離

七久保橋 - 日影山 標高差 約641m 総歩行距離 約4.3Km

日影山 - 平倉集落への尾根上部 総歩行距離 約1.3Km

平原集落への尾根上部 - 七久保橋 総歩行距離 約5.4Km

  (平原集落への尾根上部 -  平原集落 標高差 約618m)

総歩行距離 約11.0Km

  

 

八倉峠には神流川側の「八倉」から登る方法と、下仁田側の「青倉」または「磐戸」から入り「椚峠」(くぬぎとうげ)下の沢沿いにあった峠への道を登る方法があります。

 

前者は後日挑戦するとして、今回は後者の下仁田側から入りました。ただし沢沿いの道があったのは昔のこと。沢の入り口に近年まで道標が八倉峠を示していましたが、今はありません。道は消えてしまったようです。とくに上部稜線直下は数年前大きく崩壊し、スーパー林道の一部も通行不能となりました。(今は崩壊部分は手当され、林道は南面に付け替えられていますので、スーパー林道は通行可能です。)


今回は、下仁田から青倉に入り、七久保の七久保橋傍に車を駐車して周回することにしました。登りは小沢岳登山口の椚峠から西側の「桧沢岳」(ひさわだけ)とつながる尾根を「日影山」(ひかげやま)に登り、八倉峠に下ってスーパー林道に乗り、途中から「平原」(へばら)集落に向けて下降しました。稜線上のスーパー林道以外道はありません。

 

平原集落は以前登った「金剛萱」(こんごうがや)から遠くの山の斜面に見えた集落で、印象に残ったので今回訪れてみることにしました。途中七久保から来る林道に降り立つので、時間が無ければ平原集落を省略して車に戻れます。

 

ちょっと蛇足ですが、道の無い尾根を登下降に選ぶときは、道迷いの可能性と岩壁の有無がポイントです。道迷いを避けるには、尾根の地形をよく観察し、等高線が広がった広い場所があまりなく、適度に痩せている尾根を選びます。上のピークから下の沢までの距離とピークの標高の兼ね合いが大事です。あまりに短い尾根は急峻で岩壁を秘めている可能性があります。あまり赤テープなどの目印を信じ切らずに、自分の地形の読みを信じて歩きます。

 

ここで取り上げたルートは一般向きではありません。


 

七久保から椚峠

 

七久保橋傍らに車を置いて、小沢岳への林道を辿ります。舗装はありませんが、車底の高い車なら椚峠まで行けそうです。この日は椚峠に軽トラが停まっていました。数台置けるようです。

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青倉側上流部の沢のヘリに椚峠への道が続く

七久保橋から10分程度のところ


道は国土地理院の地図通りではなく、西側の尾根の懐を巻くように峠に向かっています。峠の周辺は植林されたばかりで、苗には一本一本鹿の食害防止の網が掛けられていました。先日小沢岳で遭難した老夫婦の女性がまだ見つかっていないようで、手配の看板がありました。

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椚峠

この辺りは植林されて間がない

 

椚峠には寛政十一年の馬頭観音ともう一体石仏があります。とてもかわいい馬頭観音です。もう一体は、私が前回(2000年)ここに来たときに比べてお顔が不鮮明になったのが残念です。この二体の野仏は南向きの暖かい陽を受けて、おしゃべりしているような感じで和みます。

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会話を楽しんでいるかのような椚峠の石仏

右の馬頭観音はふっくらしたお顔立ちでかわいい

左の石仏は、16年前に見たときに比べてお顔が風化してしまっていた

 

 

 

椚峠から日影山

 

椚峠の西側上の斜面も植林されています。重機が通れそうな道形が上に続いているので、それに乗ってしばらく登りました。頭上に標高1050mくらいのピークがありますが、その道形は次のピークとの鞍部を目指してしばらく続いています。

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椚峠から日影山に向けて登っていく

このような重機なら登れそうな広い道形がしばらく続く

 

鞍部はすこし窪状の広い地形で、すこし西側で桧沢岳との接続尾根が合わさります。ここに桧沢岳から踏み跡が来ているかと期待しましたがはっきりしたものはありませんでした。

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ピークとピークの鞍部は広いのでルートをとりにくい

 

踏み跡はありませんが、ところどころにあるピンクのテープを拾いながら登ります。樹間に小沢岳、桧沢岳が見え隠れし、P1141の図根点を確認。さらに単調な登りが続き、少し急傾斜となって日影山と八倉峠のジャンクションに出ます。ここにも図根点があります。このジャンクションの近くからは南側の樹間に二子山、叶山、武甲山、両神山の一部が見えています。

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P1140あたりの自然林

奥に見えているのは日影山

 

ジャンクションから少し下がって登り返し、南側に少し進むと日影山山頂です。樹林であまり展望はききません。古い看板がかかっており、三角点があります。

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日影山と八倉峠とのジャンクションピーク

ここには図根点がある

奥は日向山

 

昼食をとっていたら、後ろがガサガサ。ドキッとして振り向くと登山者でした。こんなマイナーな山で、しかも平日に人と逢うとは。聞くと八倉峠に車を置いて登ってこられたとのこと。

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ジャンクションピーク付近からの二子山(中央)と削られて白い叶山

Y字になった木の枝の間に小さく武甲山

 

日影山から八倉峠、スーパー林道

 

日影山を後にして、ジャンクションまで戻り、八倉峠に向けて下ります。落ち葉が多く、踏み跡は分かりません。ものの10分ほどで林道が見えてきます。

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日影山山頂の古い看板

 

八倉峠にも石仏が鎮座。石祠、石塔もいっしょに並んでいます。林道開発のときにここに集められたのでしょう。南を向いて暖かそうです。ここには下の八倉から林道が来ています。林道は稜線上のスーパー林道となりますが、数年前の大崩壊で不通となりました。いまでは崩壊個所は手当され、林道は付け替えられています。このため車の通行に問題はありません。

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八倉峠と石仏、石祠

崩壊した個所は手当され、新しく林道が作られていた

 

八倉峠からの眺めは最高です。崩壊があったことにより展望がよくなったのでしょうか。北側の浅間山、荒船山、立岩、西上州の山々、妙義山、などなど枚挙にいとまがありません。ここを越えた古人もこの展望に感激したことでしょう。

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八倉峠から北方向の眺め

中央遠くに浅間山

手前は西上州の山々

 

関連記事: 八倉峠からの展望(北側)


 

スーパー林道から平原集落、七久保

 

八倉峠からしばらくスーパー林道を歩きます。南側に付け替えられた林道はまだ砂利道です。200mほど進むと北側の前からの林道とつながっています。林道からの北側の眺めを楽しみながらとぼとぼ行くと、林道がY字に分岐します。ここには「下仁田へ」の看板があるのでそれに導かれ左に入ります。

 

主稜線や今回のように林道から派生する尾根をさがすのは意外と難しいものです。地図上でははっきりしていても、現地では意外とわかりにくいものです。かなり離れるとやっと尾根の形が分かりますが、直上に居るとわかりません。こんなときはGPSの出番です。

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林道を離れて加工尾根に入る

しばらく笹藪との格闘

笹藪には倒木が隠れていて手こずる

前方で鹿が走る

 

 

ここと思ったところから思い切って入ります。林道脇は急に落ち込んでいたり、伐採された木が重なっていたりで判然とせず、躊躇しがちです。とくに入口で間違えると面倒なことになるので慎重を要しますが、思い切ってしばらく下ってみないとわからないのも事実です。

 

今回は膝から腰くらいの笹藪が10分ほど続きました。下で鹿が走ります。やがて笹は低くなってついには無くなり、落ち葉の尾根道となります。踏み跡、目印はいっさいなく孤独な下降が続きます。3,40分も下ると主稜線は遠く上方に去り、隣の尾根が見えてきます。紅葉もみごとです。

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笹藪が終わって尾根筋を快適に下る

振り返ると稜線が遠く高くなっていた

 

今回下降した尾根は予想通り迷うような地形はなく、傾斜もさほどではありません。露岩もほとんどありません。忠実に尾根を拾っていくと、林道に降り立ちます。ここでホッと一息。ここを左にとれば車を置いた七久保橋までの近道ですが、今回は平原集落を訪れることにしました。

 

林道から車の轍(わだち)のある広い道を平原集落に向かいます。どんずまりで道は左に落ちていきますが、その道を捨てて右の植林帯の踏み跡に進むと、平原の古い宮社があります。その下は墓地で、下方に集落が見えています。

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七久保から来る林道に降り立つ

ここまでくれば平原集落はすぐ

時間が無かったらこの林道を七久保に戻れば近道

 

畑を耕しているおじいさんに声をかけ話をしようと思ったのですが、声をかけてもクワを休めようとしません。八倉峠から下りてきたというと驚いた様子でした。日向ぼっこでもしているおばあさんでも居たら、集落のことを聞いてみたかったのですが、その老人以外誰ひとりとも会いませんでした。

 

この集落は山の北東面にあるため、午後二時前にもかかわらず、陽は山の向こうに隠れ、すでに日差しはありません。対面の山肌だけが明るく照らされています。静かな集落ですが、どこからともなく薪を燃やす懐かしい匂いがただよってきます。上のほうで犬が吠えて谷間に広がります。

20161116_日影山16.jpg

平原集落を抜けて舗装の林道を紅葉とすさまじいほどにそびえる岩壁を楽しみながら車の待つ七久保橋まで歩きました。

 

稜線上のスーパー林道以外は道の無い尾根歩き。思いがけず日影山の山頂で人に会いましたが、静かな山旅が楽しめました。それにしても八倉峠からの眺めは忘れられないものとなりました。これまであまり目にしなかった北側からの二子山のかわいい姿にも感激しました。今度は神流川側の八倉から登ってみたいと思っています。



 

 

 

 

 

(熊五郎)

コメント(2)

  • 葉を落とした木々の影が作り出す空間、好きです、山の重なりの 青の濃淡も。でも、山はダメなんだなあ。😢😢😢 (agewisdom) 2016/11/17(木) 午後 5:26

  • 青い空、木立、落ち葉のハーモニーですね。山はこのブログでたのしんでくださいね。(熊五郎) 2016/11/17(木) 午後 7:10