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栃木県鹿沼市 岩山 2016年10月10日 曇り 2名

投稿日 2016年10月12日

 

猿岩は鎖がありますが滑りやすく危険です。死亡事故も起きています。スタンスがとれないため、ほぼ腕力勝負となります。腕力の弱い方は通過しない方が無難です。

 

ようやく晴れが続きそうな雰囲気の予報になってきました。その初日となるはずの10月10日 体育の日でしたが、残念ながらすっきりとは晴れず、平均すれば曇りとなりました。

 

あまり連休やその中の1日を登山に使うことはないのですが、今回は待ちかねた晴れの予報日。さっそく熊谷のYさんと出かけました。

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栃木県鹿沼市 岩山ルート

日吉神社前に6,7台の駐車スペースがある

青は車の進入ルート 県道からの入り口が細い

三番岩、二番岩、一番岩(岩山)と辿り、最後に猿岩(クサリ)下降

ゴルフ場脇を辿って日吉神社に戻る

(国土地理院電子国土地図をカシミール3Dでカットし情報追加)

 

 

 

今回はYさんのリクエストで栃木県鹿沼市の岩山に登りました。我が家からは高速を使って1時間半くらいの距離です。もう少し足を延ばせば日光です。

 

鹿沼(かぬま)はサツキを育てたり、園芸をやっている方には有名。あの鹿沼土の産地です。驚いたことに(当たり前かもしれませんが)、今回登った岩山は、正にその鹿沼土の上ににょっきり出た岩の塊のようで、登山道に鹿沼土が露出していました。

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岩山登山起点の日吉神社

この神社の前に駐車スペースがあり、少し西寄りの脇から登山口が入っている

 

 

東北自動車道を鹿沼ICで降りて、前日9日の秋祭りの山車が走った跡のある道路の鹿沼市街を走りぬけ、街外れにある日吉神社を目指します。

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路端に露出した鹿沼土

園芸店で売っているものと同じだ

 

日吉神社は、県道からはずれた少し高台にあるので、なかなか進入路が分かりません。神社の下にあるゲートボール場のお年寄りに聞くと、県道から細い道を入るとのこと。教えられたとおり、車1台やっとの道(地図参照 青線)に入り、杉林の端をへつるように行くと、神社の前に出ました。そこには車が6,7台留められるスペースがあります。

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ルンゼ状を登る

凝灰岩とおぼしき岩は水流と人の足によって削られている

濡れていたり、苔が付いていると滑りやすく、気が抜けない


 

支度をし日吉神社に安全をお願いして、いざ出発。登山口は神社の西にあります。車で通過した道の脇に看板があり、杉林の中へ続く道を示しています。

 

しばらく緩い林の中の道を辿ります。道端には黄色い鹿沼土が露出しています。確かにここは鹿沼土の産地ですね。この鹿沼土は赤城山の噴出物のようで、赤城山東面から栃木、茨城へと鹿沼土の層があるとのことです。

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展望台のような岩塔に登ってみた

少し高いところにベンチが見える

後は三番岩のピーク 右は縦縞の岩

 

この辺りの岩は凝灰岩だと思うのですが、比較的やわらかいので浸食されやすいようです。そのため雨の流れた跡や、人が歩いた後はへこんだり、丸くなったりしています。やわらかいので、登りにくいところにはステップが刻まれています。それをうまく使って登りますが、濡れていたり、苔がついて緑色っぽくなっている岩面に足をかけると滑りやすいので要注意です。乾いていればフリクションが効いて快適ですが、濡れていると滑ります。(これは最後に懸垂下降する猿岩では意識しておくべき点です)

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ベンチから下を見下ろした

先ほど居た岩塊が下に見えている

三番岩手前のこの辺りは、ロックガーデン的な雰囲気

 

植林帯の道はやがて岩の基部に入り、狭いルンゼ状で、一枚岩でできたような岩溝を登ります。右手上に展望のよさそうな大きな岩塊があるので登ります。縦縞の大岩の基部をへつるように回って、展望のよい岩塊に移ります。高度はあまり高くないため大した展望ではありません。気づけば後ろ一段高いところにベンチが見えます。

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三番岩(塔)

岩と言っても、ピークに付けられた名称の様で、岩そのものではない

遠目には岩塔かもしれないが

 

再度縦縞の大岩の基部をへつって正規の登山道に戻り、少し登ったところに先ほど見えていたベンチがあります。コンクリートで固定されているため安定していますが、はしゃいでいると落ちそうなところです。油断は禁物です。ベンチにふたり並んで話に興じていると下から男女の二人組みが登ってきて通過しました。ベンチを空けようと思ったのですが、寄らないで行ってしまいました。

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二番岩

こちらは岩そのものの名称のようだ

これに名前を付けるなら、他にも名前を付けたい岩はいっぱいあるが


 

ここ岩山の登山道は総じて岩々です。平凡な道はほとんどなく、岩場の通過や、乗り越えに明けくれます。二か所梯子もありますが、ほとんどはステップが切られた岩肌を注意深く登り降りしながら進みます。

 

途中、三番岩、二のタルミ、二番岩、一のタルミとたどり、最後にやや藪っぽい急坂を登れば一番岩(岩山)の山頂です。標高は328m。眼下に鹿沼の市街が広がり、遠くに筑波山の双耳峰が見えています。

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一番岩下の看板 猿岩との分岐

ここから藪を少し登ると一番岩(岩山山頂)

山頂から一旦ここに降りてきて猿岩に向かう


 

山頂で昼食をとり、いよいよクライマックスの猿岩下降です。山頂から少し戻って、短い稜線をゆくと、どん詰まりが猿岩です。その手前には猿岩をエスケープできる下降路があります。猿岩から眼下にはゴルフ場が見えます。手入れされた芝の緑がきれいです。カートの音やプレーヤーの声も聞こえます。

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岩山山頂 標高328m

露岩のある狭い山頂

鹿沼市街が見える

 

 

猿岩の岩場は鎖が三段になっています。最上部から覗いても、下の段は見えません。各段の間には鎖を手放して休める狭いバンドがありますが、立てるのは二名程度です。一段降りたら、鎖から手を放し、上のメンバーに声をかけます。合流したら、次の段を下りて、再び合流します。一段目はさほど傾斜はありませんが、それでも滑って鎖を放したりすればあの世行きです。二段目、三段目は傾斜が急です。それでも岩が乾いていると、それほど危険ではありません。問題は三段目です。

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猿岩の鎖場に至る道の途中にある看板

ここから下ると、猿岩のクサリ場を通過せずに下れる

 

 

三段目(最下段)は雨水によって削られたようなトユ状になっており、乾きにくいようで、表面がつるつるです。登山靴の面を全面密着させながら降りないと滑ります。つま先が引っかかるような凹凸はありません。足と岩面が直角になるくらいの感じで身体を岩から離して、しっかり鎖をつかんで降りてゆきます。ややお尻が下かと思うくらいの方が安定します。

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猿岩のクサリ場

計3本の長いクサリが掛けられている

下二段は傾斜がきついので、上からは見えない


 

鎖場を通過して、下の樹林に入っても、更に下に一段滑りやすい岩にロープがかかっています。まだ高度と傾斜があるので最下段で落ちても、おそらく助かりません。懸垂下降に慣れない人や、握力に自信がない人は、巻き道を利用すべきです。猿岩も同じ凝灰岩?ですが、一切ステップは切っていませんので、安易な期待はしない方がいいようです。

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猿岩の二段目を懸垂下降するYさん

一段目、二段目は岩面が乾いているが

つぎの三段目は溝状で濡れており、滑りやすい

猿岩は滑りやすく、腕力の無い方の登下降はお勧めできません。

 

ここにはステップは刻まれておらず、足を掛けられる凹凸もほとんどない

鹿沼の岩山はこじんまりとした山で、標高も328mと低いのですが、ルート上平凡なところはほとんどなく、岩が絶え間なく現れる面白い山です。日吉神社から一番岩まではハイキング的ですが、最後の猿岩だけは別格で、その長さ、傾斜は他の山のクサリ場とは少し違います。この山の面白さはこのクサリ場にあると言えますが、懸垂下降に慣れない人は、このクサリ場は避けたほうがよさそうです。

 

紅葉にはまだまだ早いのですが、秋の雰囲気の低山を楽しめた一日でした。

お風呂は柏倉温泉の太子館にしました。

 

 

 

 

(熊五郎)

 

コメント(2)

  • ここだけは登ったことがあるのです。北犬飼の中学から徒歩遠足で行きました。必死で岩にかじりついて。帰りはもう薄暗くみんなが「こわい、こわい」と言うから「なにがでるの?」と聞いて笑われました。4月に赴任したばかり栃木弁がわからない春でした。 2016/10/13(木) 午前 5:47

  • 意外な山に登られてますね。中学生でも遠足で行くにはちょっと危険個所が多いと思いますが。昔は結構リスキーなこともやってたのかも知れませんね。こんな山が近くにある鹿沼市が羨ましいです。(熊五郎) 2016/10/13(木) 午前 10:58

     

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