奈良 当麻寺 2015年 6月2日

投稿日 2015年06月03日

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当麻寺 東塔(奥)と西塔(手前)

 

大阪と奈良の県境に二上山(にじょうざん、ふたかみやま)という山がある。

 

名前のとおり大小ふたつのピークをもつ山で、私はこの山を見ると関西に居るんだという気持ちになる。

 

近くには竹内峠という古道の峠があり、奈良の都となにわを結んでいたようだ。

 

わたしは中学1年の時に遠足で登ったが、木の間を走り回って遊んでいたら漆(うるし)にかぶれ、学校を休んだ記憶がある。

 

二上山の奈良県側の麓、葛城(かつらぎ)にある当麻寺(たいまでら)は小さいころに行った記憶があるが、誰と行ったのかなど、まったく思い出せない。例によって寺の一角にあった目的のわからない円形の土台や門前の町角を駅までてくてく歩いたことなどを覚えているばかり。肝心の仏像や庭園などは何も記憶に残っていない。こどもの目線はそんなものなのだろうか。

 

今回は大阪に来たついでに寄ったのだが、記憶の薄れたなかでも、円形の土台を見たときは、鮮明に記憶がよみがえった。あの時は何のためのものかわからなかったが、その後「中将姫」の銅像が据え付けられたようだ。

 

この寺には天平時代の「中将姫の伝説」がのこり、ここで尼となった中将姫が蓮の糸で編んだ曼荼羅(まんだら)が本尊となっている。

 

「中将姫の伝説」は悲運な幼少期を経て当麻寺の尼となり、最後は極楽浄土に導かれるという物語だが、美しい姫が髪を剃って仏門に入り、産みの母や、自分のために命を犠牲にした人たちの供養のために一生をささげた物語は、深く心にしみわたる。

 

この時期の当麻寺は、有名な牡丹には遅かったが、蓮の花、山紫陽花、ツツジが咲き、庭園に彩りを添えていた。

 

中之坊の書院でお抹茶をいただき、若いころ訪れた寺の記憶をまた新しくして帰途についた。

 

 

 

(熊五郎)