top of page

谷川岳主稜線縦走 2013年09月11日 (雨のち曇り)、12日(曇り一時晴れ) 2名

投稿日 2013年09月14日

熊谷のYさんとともに、長い間の念願であった谷川岳主稜線縦走を果たした。

 

谷川岳東端の西黒尾根から西端の平標(たいらっぴょう)山まで、総沿面距離 22.8kmの長大な尾根を端から端まで歩くこのルートは、群馬と新潟の国境稜線であり、太平洋にそそぐ利根川水系と日本海へそそぐ信濃川水系との分水嶺であり、また国内有数の豪雪地帯でも知られている、正に日本の屋根である。

 

その地形は複雑で、穏やかな笹の高原状の女性的な山容の裏側には、切れ落ちた絶壁を隠し、その急峻で変化にとんだ地形は、多くの登山者を魅了する。

 

風でなびく笹原に沢筋は深く切れ込み、断崖絶壁にはキラキラと輝く水流が落ちている。稜線から眺める深い谷には、この山域に落ちた雨水が、誇らしげに轟音を立てて流れ下っている。

 

谷川の山域には一般ルート、沢の遡行を含め多くのルートを歩いてきたが、部分的に残った未踏破の稜線に思いを馳せながら、10年以上も機会を狙っていたが、今回よきパートナーとともに踏破することができた。

 

2013/09/11 移動 自宅6:00 JR土合駅 8:00 着 駅前駐車場に車駐車
     JR土合駅発 8:05 西黒尾根登山口 8:40 大障子避難小屋 15:23 泊

 

2013/09/12 大障子避難小屋 5:11 万太郎 6:40 越路 7:50
     エビス大黒ノ頭 9:30 仙ノ倉山 10:57 平標山 12:00 元橋 14:10
     元橋 バス 15:51 越後湯沢 16:26 17:56 土合 18:20

 

主な通過点 (頭はアタマと読む)
 土合
 西黒尾根 
 谷川岳肩ノ小屋
 オジカ沢ノ頭
 小障子ノ頭
 大障子ノ頭
 万太郎山
 越路
 エビス大黒ノ頭
 仙ノ倉山
 平標山
 平標山の家
 平元新道
 元橋

20130911_谷川岳縦走ルート.jpg
20130911_谷川岳縦走断面.jpg

総沿面距離 22.8km 主要なピークの平均高度 1963m
最高点 仙ノ倉山 2026m 最低鞍部 越路 1560m

20130911_谷川岳縦走01.jpg

JR上越線 土合駅 駅前の駐車場は昔からガレの広場だ

20130911_谷川岳縦走02.jpg

西黒尾根登山口 西黒尾根 2.94km 標高差 1110m 
平均斜度 20.7度 ラクダの背から上 23.6度。
小雨の中をもくもくと肩ノ小屋に向けて登る日本国内でも有数の急登

20130911_谷川岳縦走03.jpg

小障子ノ頭(アタマ)を過ぎた辺りからようやくガスが上がり周囲が見え始めた

赤谷川阿弥陀沢の源頭部を見降ろす
正面は俎嵓(マナイタグラ)山稜の本谷ノ頭付近

20130911_谷川岳縦走04.jpg

稜線上の大障子ノ頭避難小屋
7名収容可能なこの小屋は頑丈にできており快適
水場は、小屋手前の阿弥陀沢側に下る道を10分 豊富な水量
この日は23時ごろまで強風が吹き荒れたが、小屋には全く吹き込まない
安心して利用できる重要な位置にある小屋
万太郎沢側は切れ落ちており、暗くなってから外に出る場合は注意

20130911_谷川岳縦走05.jpg

小屋から万太郎沢側を眺める 雲がかかるのは茂倉岳の一部
右のピークは小障子ノ頭
阿弥陀沢側は穏やかだが、万太郎沢側は非常に急峻に切れ落ちている

20130911_谷川岳縦走06.jpg

大障子ノ頭避難小屋の水場 阿弥陀沢の源頭にあたる
水場への道は急だが明瞭 往復20分

20130911_谷川岳縦走07.jpg

万太郎山山頂から群馬県側を眺める
ほとんど真っ白なガスの中を歩いたが、ときどきこのようにガスが切れ
景色が見える とがった小さなピークは三国峠近くの大源太山

20130911_谷川岳縦走08.jpg

越路(コシジ)とエビス大黒ノ頭の前衛
左下にのびる道が川古温泉への道 利用者が少なく荒れているようだ
右側が毛渡(ケト)沢

20130911_谷川岳縦走09.jpg

エビス大黒ノ頭への登り 奥のピークがエビス大黒の頭 1888m
この辺りがルート上で最も急登
エビス大黒沢の源頭部の高度差と岩稜がみごと

20130911_谷川岳縦走10.jpg

エビス大黒ノ頭 1888m 山頂にて Y氏

今回の山行は十分好天期を狙って決行したつもりであったが、太平洋側の前線から吹き込む南風の影響で山岳部は雲が多く雨模様となった。登り開始の西黒尾根から肩ノ小屋まで雨が降り続いた。小屋には天神ん尾根から来た多くの登山客がいたが、ほとんどは引き返したと思われる。雨の中大障子の避難小屋まで向かったのは我々と、先に小屋に入っていた男性1名のみ。この男性は翌日引き返した。小屋の戸をうるさく叩いた強風は夜半にはおさまり、雨もいつの間にか止んだ。翌朝も曇天とガスであったが、南からの空気の流入のせいか、比較的暖かい。白いガスの中を平標を目指して出発した。幸運にも時々頭上に青空が広がり、足元にも突然広い空間が広がる。どのような場所を歩いているのか、その時まで想像もつかないような空間が目の前に広がる。感激の一瞬だった。

 

我々は元橋のバス停から越後湯沢駅、JR在来線で土合に18:20に戻った。

 

非常に疲れたが充実した山行であった。





 

(熊五郎)

bottom of page