投稿日 2010年06月29日
亡き母の 雪形さがし 山に在り
(なきははの ゆきがたさがし やまにあり)
残雪の頃の谷川岳
母は私が二十過ぎの頃に亡くなりました。
あまり物言わぬ静かな母は、いつも身の回りをきれいにしていました。
時々お客が見えると、部屋を見ていつもきれいにしているねと、褒められました。
お客がそう言うことが、幼い頃の私の自慢でした。
今、ひとつ望みを叶えてやると言われたら。
私は迷わず、母に会わせてほしいと頼むでしょう。
若い頃のわがままを詫びるためです。
もし山で、母に似た雪形を見つけたならば、それでもかまいません。
(熊五郎)
コメント(5)
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物静かで優しいお母様の姿が思われます。私などまだ生きているものですから、こき使われておりますが。母も94歳で存命、元気なときは好きなことばかりしておりましたが、今はあまり動けないので、不平不満ばかり言いながら暮らしています。反面教師と思いつつも、慕われ、しのばれる母親にはなれそうもない私です。 2009/12/28(月) 午後 1:12
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agewisdomさん、私の場合はすでに両親ともいませんので、何かつっかえ棒を外されたような感じです。おまけに兄も他界し、実家に帰っても兄の嫁さんだけです。親がいないと田舎という感じがしませんね。幸いその兄嫁は、母の料理の味を受け継いでくれてます。私が帰ると手料理で迎えてくれます。agewisdomさんのおかげで、母を思い出しました。(熊五郎) 2009/12/28(月) 午後 6:11
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せつない句ですね。爺ヶ岳や白馬岳のように、残雪の形が何かに似ている事で麓の住民は苗植えを始めたり、春の訪れを感じたのですが、残雪の形に亡き母の面影を探す、というのは非常に切なく感じました。自分の両親は健在ですが、遠く離れて暮らしており、望郷の念にもかられました。今のうちに出来る限りの親孝行をしたく思いました。
心温まる句を有難うございます。 [ きらり ] 2009/12/30(水) 午後 3:21 -
3:21pmの投稿は「悩める旅人」からです。間違って、娘がログインしたままのIDで投稿してしまいました。 [ - ]
2009/12/30(水) 午後 3:25
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悩める旅人さん、故郷から遠く離れて暮らしていると、何か身近なものに親の面影を探したりするものですね。雪形や空の雲にも。私の場合は、星座のオリオンと子犬座のシリウスが空に昇ると、ああ、今年も母が愛犬「エリー」を連れて散歩しているなと思っています。母が亡くなったのは、そんなオリオンがきれいな年の暮れでした。(熊五郎) 2009/12/30(水) 午後 5:21