21MHz 1/4λ ホイップ HR21
投稿日 2023年02月25日
購入したのは30年以上も前のHR21ですが、なんとCOMETのHR21は今でも販売されています。若干デザインは変更されていると思いますが。
そのころ当局はヘリカル・ホイップを所有してましたが、性能がいまいちだったのでこのHR21に乗り換えました。このHR21は1/4λのホイップなのでラジアル(アース)が必要です。車のボディーに接地されたアンテナ基台で使用すれば問題ありませんが、あれから車も代わって、車体に電気的に接地するのが容易ではありません。144/430MHz帯の接地不要なノンラジアルのホイップをマグネット・ベースの基台に付けて使っていますが、HR21もなんとかこのマグネット・ベースを使いたいところです。(走行は無理ですが) ところがマグネット・ベースの場合は基本的に接地ができませんので、HR21のような1/4λのホイップの場合に重要なアースがとれません。
そこで登場するのがアース・マットです。アース・マットといっても、あの蚊よけのアレではありません。ダイヤモンドの便利グッズMAT50です。マグネット付きの導電性マットで、車の屋根にぺたっと張り付けて静電容量的に結合させるものです。100円ショップでマグネット・マットを買ってきて、アルミホイルなどで自作することもできます。今回はMAT50 1枚でHR21のVSWRを計測してみることにしました。
MAT50は説明によれば7MHzから50MHzまで使えるとなっています。もしMAT50一枚で良好なVSWRとなれば、手軽にHFにオンエアーできます。(面倒なカウンターポイズを四方に引っ張りまわす手間が省けます)
COMET 21MHz 1/4λ ホイップ・アンテナ
全長2.13mの長いアンテナでセンター・ローディングタイプ
説取扱明書と実物(アンテナ基部のみ)
HR21の仕様・規格は以下のとおりです。(当時の取扱説明書より)
センターローディング型 1/4λ アンテナ
耐入力 200W(SSB)
インピーダンス 50Ω
全長 2.13m
質量 490g
コネクタ M-P型
帯域 VSWR 1.5以下 ±700KHz
周波数変化量 1cm当たり 76KHz
折り曲げ機構付き
L型六角レンチ付属
長いアンテナですので、車庫入れのような場合に便利なように基部で折り曲げることができるようになっています。
エレメントの長さを調整する調整固定ネジ(小さな六角ナット)はアンテナ給電部上と、ローディングコイル上の2箇所あります。(蛇足ながら、六角ナットは緩めすぎて落ちると見つからなくなるので要注意です) 取り扱い説明書には下部(ローディングコイルの下)エレメントと、上部エレメントの長さの指定が書いてありません。全長2.13mと載っているだけです。今回計ってみると2.21mありましたが、そのままで(昔の調整せずに)計測してみました。やや長い状態です。
今回は自宅の庭で、車の屋根にマグネット・ベースで取り付け、基部からMAT50を1枚つないで屋根に貼り付けました。さらにアンテナ・チューナー CAT-10でさらに調整してみました。nanoVNAによるVSWRの結果を以下に示します。
車の屋根(マグネット・ベース)でMAT50を使用したVSWR
最低VSWR周波数21.450MHz 1.706
21.000MHz 1.831
21.450MHz 1.706
22.250MHz 2.135
車の屋根(マグネット・ベース)でMAT50を使用 CAT-10で調整したVSWR
最低VSWR周波数21.000MHz 1.070
21.000MHz 1.070
21.060MHz 1.078
21.240MHz 1.260
今回はMAT50を一枚使用しての計測です。一応21MHzのCWおよびSSBでの使用が実用範囲に収まっています。VSWR 2.0の帯域幅は21.180MHZ辺りから21.400MHz辺りまでの約220KHzありました。説明書記載の±700KHz(1400KHz)より随分狭いです。
CAT-10で調整した場合は、21.000MHzが最低点1.070、21.060MHzが1.078、21.240MHzが1.260となりました。VSWR 2.0の帯域は約1.7MHzあります。
久しぶりに引っ張り出してきたアンテナHR21ですが、まだまだ使えそうです。車のボディーに直接アースをとればもっとよい特性が得られるのかも知れませんが、最近の車はアースをとりにくくなっていますので、MAT50で辛抱といったところです。カウンターポイズを張り巡らすよりは楽です。当局はMAT50を1枚しか所有してませんが、これを2枚に増やせばCAT-10無しでももう少し良好な特性になるかも知れません。では、聴こえてましたらよろしくお願いします。
(JF1VRR)