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DDS VFOでTS-511を動かしてみる

投稿日 2022年01月28日

AD9834_VFO01.jpg

CQ出版の「デジタル周波数シンセサイザ基板」で作ったDDS VFO

LCDとロータリエンコーダ、変更する周波数桁指定用のプッシュボタンを追加し、

PICマイコンのファームウェアをVFOに仕立てたもの

CQ出版発行のトライアルシリーズ「デジタル周波数シンセサイザ基板」に付属のDDS基板をベースに作成したDDS VFOを、永年の名機「トリオ TS-511」HFトランシーバーのVFOと交換して受信を試みてみました。

 

参考記事:デジタル周波数シンセサイザ基板でVFOを作る

このVFOは簡単な実験やラジオなどの調整に必要な信号源として作ったものです。周波数範囲は50Hzから25MHzです。アナログデバイセズ社のDDS AD9834を使用しています。安定度やスプリアス特性は申し分なく、周波数の可変は1Hzステップで可能です。

TS-511は天板を開ければVFOの配線が見えますので、接続を変えて実験するには打ってつけです。2nd VFOとして背面のコネクタからつないだ方がよいのですが、配線が面倒ですので、今回はメインVFOを切り離して、交換する方法にしました。

TS-511のCW受信時の周波数構成は以下のようになっています。

ヘテロダインOSCの周波数 15.895000MHz(7MHzの場合)

VFO 5.5000000MHzから4.900000MHzの600KHz幅 (5.5MHzがアマチュアバンドの下端)

中間周波数 3.954000MHz

ですので、たとえは7.000.000MHzを受信する場合、

15.895000MHz - 7.000000MHz = 8.895000MHz

8.895000MHz - 5.500000MHz = 3.395000MHzとなります。

CWの場合は、700Hzのビートを得るため3.394300MHzのキャリアを注入しています。

VFOとしては、5.500000MHzから4.900000MHzを供給してやればよいわけです。

VFOの発振周波数は、たとえば、

受信周波数が、

7.000000MHzの場合は、5.500000MHz

7.030000MHzの場合は、5.470000MHz

7.100000MHzの場合は、5.400000MHz

7.200000MHzの場合は、5.300000MHz

といった具合です。

この5MHz台の周波数は、当時安定した発振器が作りやすい周波数として自作派にも好んで使われました。ミズホ通信などからも5MHzのVFOが販売されていました。

それはさておき、上記のように、VFOの周波数が下がると受信周波数が上がる訳ですので、このみにもよりますが、周波数可変ツマミを右回しにすると受信周波数が上がったほうがいいし、VFOの表示周波数で受信周波数を直読できるようにしたほうが便利です。

このような改造はDDSを制御するマイコン(PIC 18F14K50)のファームウェアをちょっと変更するだけでできます。ロータリーエンコーダーの回転方向で周波数を下げるか上げるかを逆にする訳です。また、内部の発振周波数はあくまでも5.000000MHzから4.900000MHzですが、LCDの表示周波数は、発振周波数の5.5MHzからの差表示の7MHzに加えればよい訳です。このへんはマイコン制御のDDS VFOの便利なところです。

AD9834_VFO08.jpg

トランシーバ TS-511の内蔵VFOをDDS VFOにつなぎ変えて受信してみた

TS-511は天板を外せばVFOが丸見えで配線も簡単

背面の2nd VFOのコネクタは使わなかった

1KHz, 100Hz, 10Hz, 1Hzステップの可変が可能

​受信は良好

TSS-511内蔵のメインVFOをDDS VFOにつなぎ変えて7MHzバンドを受信してみました。結果は良好。内蔵VFOと遜色ありません。今回はRITは付けて居ません。DDSチップのAD9834は周波数出力用のレジスタを2つ持っているので、異なる周波数を入れておけば、瞬時に切り替えられますので、VFO-A/Bのようにスプリットで運用することもできそうです。

(JF1VRR)

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