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TS-520のリング検波器の実験

​投稿日 2021年02月14日

前回TS-520のリング検波器の動作をLTSpiceでシミュレーションしてみましたが、簡単でパッシブな回路ですから、自作も簡単ですので実際に作って実験してみることにしました。

​関連記事:TS-520のリング検波器

TS-520_DET_SIMU.jpg

TS-520のリング検波器 LTSpiceによるシミュレーション

CWを想定して​IF(V1)とキャリア(V2)との差 700Hz 3KHz 5KHz 10KHzを描いてみた

本来ならCAR一定でIFが変わる

5KHZ、10KHzはほとんど減衰している

3KHzももう少し通過させてもよいと思うがこの辺りがトリオのSSB音質を決めている

シミュレーション回路は上のように簡単です。V1は中間周波(IF)を、V2はキャリアを想定しています。V1とV2の差の周波数が出力側のLPFを通って出てきます。LPFの遮断周波数は役3KHzですので、3KHz以内の差であれば、4.7KΩの両端に信号が現れます。上のシミュレーションではV1の周波数を3.395000MHz固定にし、V2の主は数を変数にして3.394300MHz、3.398000MHz、3.340000MHz、3,345000MHzと変化させてステップ実行しています。、その差700Hz, 3KHz, 5KHz, 10KHzですので、右のグラフのように5KHz, 10KHzはほとんど見えないくらい減衰しています。

TS-520_DET.jpg

シミュレーションした回路を実際に作ってみました(回路図どおり空中配線)

ダイオードはシリコンの1N60を使っています

​V1, V2は別々のSSGから信号を入れています インピーダンスは50Ωです

出力側をオシロスコープで観測しています

本来であれば、22PFのコンデンサーの一方をトリマにするか、470Ωを半固定にしてバランスをとるべきですがすべて固定にして手を抜いています。シミュレーションと同じ3.5MHz台では2台のSSGでオーディオ周波数の差を作るのがむずかしいので、確認が出来ませんでした。このためV1, V2を455KHzにして一方を細かく調整して差が1KHzに近くなるようにしてみました。

TS-520_DET_sig.jpg

V1 455KHz V2 457.3KHzで実測した結果

差の周波数が1.044KHzが観測されました

457.3 - 455は2.3KHzですが、どちらかのSSGが怪しい

​また周波数1.044KHzはオシロのメジャー機能で計測してますのでこれもまた怪しいです

結果、このような簡単な回路で周波数の差を取り出せるわけですが、SSBトランシーバーのような場合は、LSBまたはUSB信号の正しい位置(周波数)にキャリアを注入し、変調波との差分をとる、つまりキャリアとの相対位置がベースバンド信号そのものということになります。

​(JF1VRR)

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