TS-520のAF基板

​投稿日 2021年02月01日

トリオのHFトランシーバー TS-520のオーディオアンプ回路基板(AF基板)の回路を研究して実際に動かしてみたいと思います。

 

当局が入手したAF基板はX49-0008-00となっています。このAF基板にはオーディオアンプ回路のほかに、CWのサイドトーンを作る発振回路、VFOのキャリブレーションビートの検波回路も組み込まれています。

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オークションで購入しておいたTS-520のAF基板

​あまり使う人がいないのか、他の基板数枚とで数百円

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TS-520 AF基板 X49-0008-01の回路

上の実物はX49-0008-00なので、回路と違いがあるかも知れない

-00はTS-520X -01はTS-520Vのものと思われる

Q1,Q2,Q3,Q4はオーディオアンプ

Q5はプリアンプ

Q5はCWサイドトーン回路

D1,D2はVFOのキャリブレーション・ビートの検波回路

回路図で上半分がオーディオ増幅回路です。AF GAINは受信音の音量調節ボリュームです。右のSP端子にPHONEジャックとスピーカーがつながっています。DET端子はジェネレーター基板の検波回路の出力信号が来ています。受信した電波を検波してオーディオ信号を取り出したものです。DETの信号はプリアンプQ5で増幅されたあと、音量調節ボリュームを通過して、Q1、Q2、Q3、Q4のオーディオアンプで増幅されます。この辺りは簡単なアンプICで済ませてもよいと思いますが、音質を気にするトリオのこだわりでしょうか。

 

Q6の回路はCWトーンの発振回路です。発振周波数は750Hz固定です。KEYを打つことによって発振が断続します。CWトーン回路の出力もオーディオアンプに入力されています。VR2はCWトーンの音量調節で、受信音量には関係なく設定できます。S3-6はMODE スイッチで、CWのときだけCWサイドトーン回路が発振可能になります。STO端子(サイドトーン出力)はVOX回路の入力になります。これはCWブレークインをVOX(入力信号があるときのみ送信に切り替える)を利用して実現しているためです。RL端子はVOX回路の出力で、送受信リレーを切り替えると同時に、送信時にオーディオアンプのプリアンプQ5の動作を止めて音が鳴らないようにしています。

 

左上のD1, D2の回路はVFOキャリブレーション・ビートの検波回路です。VFB端子は、S2-3(FUNCTIONスイッチ)をCAL-RMTにすると、外付けVFOと内蔵VFOのキャリブレーション(周波数を合わせるため)のビート音がここに入力されます。2つのVFOの周波数が一致したときにゼロビート(音が聞こえなくなる)になります。ずれているときはズレに相当する周波数のビート音が聞こえます。9端子は9V、14は14VがAVR回路から供給されています。

以上からこのAF基板を単なるオーディオアンプとして使う場合の各端子は、

9 9V供給

14 14V供給

DET オーディオ信号を入力

SP スピーカを接続(GND間 8Ω)

AV1, AV2, GND 音量調節ボリューム(10KΩA)を接続

KEY オープン

STE オープン

STS GND

STB オープン

RL オープン

VFB オープン

​とすればよいことになります。

注意すべきはAF基板裏面のいくつかのGNDパターンがシャシに取り付けてはじめてつながるという点です。AF基板単体で動作ささせる場合は要注意です。今回はジャンパーでつないでおきました。

また、VFB端子は検波回路の入力ですので、触ると人体がアンテナ代わりとなってAM放送が検波されて聞こえてしまいます。

​なかなか感度のよいラジオに変身します。

(JF1VRR)