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両波整流管 6X4

投稿日 2017/05/18

ラジオでの整流管といえば5MK9(半波整流管)か6X4(両波整流管)ですが、最近は5MK9の入手性が悪く貴重になってきました。並四などを作る場合、両波整流は似合わないということで、どうしても5MK9がほしいところです。

6X4_01.jpg

6X4

右はNEC製(No. 65)、左は不明(No.268)

プレートのデザインが異なる

 

 

最近は五球スーパーのキットに6X4を使っているものが見られますが、6X4のほうが調達しやすく安上がりなのでしょう。両波整流用の電源トランスはお高いので、6X4の双二極をパラにして半波整流管として使っているのですが。

 

6X4のベースピン配置は5BSです。5BSの球は6X4のほかに12X4, 6202があります。6202は6X4のスペシャルです。

5BS.jpg

二極管の静特性というとお馴染みの電圧 - 電流特性ですが、無負荷での計測なので無理はできません。このためプレート電流は規格表をみてDC Output Current以上流さないようにします。具体的には6X4の場合1セクション当たり70mAです。飽和特性はヒーター電圧を下げることで見てみました。

 

6X4は両波整流用ですので二極部が2セクション封入されています。S1、S2単独の場合と、S1 +S2のパラ接続で計測してみました。

 

なお、整流管の中古はイカレている球が多いので、今回の計測結果が正常なものかはわかりません。一応比較のため2本の6X4を計測してみました。

6X4_02.jpg

6X4 1本目(No.65)の電圧 - 電流特性

ヒーター電圧を50%から100%に変えて計測(100% = 6.3V)

S1はセクション1、S2はセクション2

低いヒーター電圧ではエミッションが減少し飽和が現れている

ただし両セクションは同じ特性ではない

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6X4 1本目(No.65)の電圧 - 電流特性

ヒーター電圧を100%(6.3V)の場合

S1、S2の特性はよく合っている

パラ接続(S1 + S2)の場合は単独の約倍の電流が流れている

6X4_04.jpg

6X4 2本目(No.268)の電圧 - 電流特性

ヒーター電圧を50%から100%に変えて計測(100% = 6.3V)

S1はセクション1、S2はセクション2

低いヒーター電圧ではエミッションが減少し飽和が現れている

1本目よりも飽和特性が明確に現れている

1本目同様両セクションは同じ特性ではない

6X4_05.jpg

6X4 2本目(No.268)の電圧 - 電流特性

ヒーター電圧を100%(6.3V)の場合

S1、S2の特性は高い電圧で異なっている

パラ接続(S1 + S2)の場合はS1とS2の合成となっている

 

 

今回の静特性の計測は無負荷での計測であるため、プレート電圧は50Vまでとし、プレート電流は最大70mAを越えないように計測しています。整流管を実際のラジオなどの電源で使用する場合、250Vなどの高圧交流を印加しますが、プレートに直列で負荷がつながれるので、電流は制限された状態で使われることになります。

 

 

 

ご注意:この計測はどの位使われたかわからない中古の球で行われています。

 

 

 

(JF1VRR)

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