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ISL97519A使用の昇圧電源モジュール

投稿日 2017/01/09

2.3Vから5.5Vの入力電圧を5Vから25Vに手軽に昇圧できるモジュールが秋月電子から販売されています。使用するに当たり、その性能を確認してみました。

 

出力電圧範囲が広いので、いろいろな実験に重宝しそうです。

ISL97519A_00.jpg

秋月電子で販売されているISL97519A使用の昇圧コンバータ

外付けとなっているコンデンサは出力端子にじか付けした

多回転のポテンショメータで出力電圧を設定するが

ややクリチカルで、すこしヒステリシスも感じるので調整しにくい

スイッチングノイズを気にしなければ使いやすいコンバータ

 

まず、50mAの負荷で入力電圧を変化させたときの出力電圧の変化を計測してみました。設定出力電圧は6V, 9V, 12V, 16V, 19V, 23.5Vです。(24Vにしたかったのですが、設定できませんでした) 出力電圧の設定は入力電圧5.0Vで行っています。

ISL97519A_01.jpg

ISL97519A 入力電圧 vs 出力電圧

50mA 負荷

各出力電圧とも、入力電圧が3.2V以上であれば問題なく昇圧できている

各設定電圧にドンピシャで殆ど動かない

 

 

 次は、入力電圧を 3.3Vまたは5.0V一定にし負荷を変化させた場合の出力電圧への影響です。設定出力電圧6V, 9V, 12V, 16V, 19V, 23.5Vにおける負荷特性です。負荷を0から800mAまで変化させて、出力電圧の変化を計測しました。出力コンデンサーは接続しています。

ISL97519A_02.jpg

Vin(入力電圧) 3.3Vの場合

右軸はIin(入力電流)

設定出力電圧を維持できる負荷電流の範囲がわかる

ISL97519A_03.jpg

Vin(入力電圧) 5.0Vの場合

右軸はIin(入力電流)

設定出力電圧を維持できる負荷電流の範囲がわかる

 

負荷特性は出力電圧が急に落ちるところまで、肩が丸くなるようなことが無く、設定電圧を維持しています。

 

以上の計測結果より、出力電圧12Vで使う場合、入力電圧が3.3Vの場合、230mAまで。5.0Vの場合、540mAくらいまで使えるようです。

 

 

最後に効率を計算してみました。入力電圧3.3V, 5.0Vから12Vを作る場合です。横軸は負荷電流です。

ISL97519A_04.jpg

ISL97519A 効率


グラフから昇圧コンバータとしてはあまり効率は高くはないようです。この昇圧コンバーターは全体的な特性は非常に安定していますが、入出力の電流比が大きいので注意が必要です。効率より安定性重視といったところでしょうか。

 

また、リプルに関しては問題なさそうでしたが、スイッチングノイズが多いので注意が必要です。

 

 

(JF1VRR)

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