目覚めのよくない6AS5

投稿日 2015/08/16

真空管の静特性を計測していると、ときどき目覚めの悪い球があります。

 

40年以上眠っていたのですから無理もありません。

6AS5_0.jpg

新品と思われるRCAの6AS5

ベースピン配置7CVの電力増幅五極管

低プレート電圧で動作する球で、ラジオや簡易アンプなどの出力段用

 

当局は計測に当たって、対象の真空管のヒータに規定電圧を印加して1時間以上放置するようにしていますが、それでも目覚めが悪い場合があります。(正しいエージング方法ではないと思いますが、あまり待っておれません。)

 

目覚めが悪い(というべきかどうかは分かりませんが)場合の現象はグリッド電圧が浅い(0Vに近い)場合のプレート電流の流れの異常として現れます。希ですが全グリッド電圧に渡って異常を示す球もあります。

 

計測は自動で行うので、異常があても放っておくのですが、たいがいは途中で目覚めてくれます。

 

最後までプレート電流が乱れる場合は、ヒータ、プレートに電圧を印加して、コントロールグリッド電圧を調整してプレート電流が数mA流れるようにしてしばらく様子をみます。勿論、過電流防止を施しておきます。

 

今回はRCAの6AS5 三結の計測で顕著な途中お目覚めがありましたので、データを残しておきました。この6AS5は開封はされていたものの、おそらく新品です。

 

グリッド電圧0Vから-6Vまでが乱れており、-7Vから正常になっています。

この程度なら大した乱れではありませんが。球によっては大きなプレート電流が流れる場合もあります。

 

この計測を終え、再び同じ計測を行うと、今度は最初から正常です。

 

ちなみに、もう一本6AS5があるのですが、そちらは最初から正常でした。

 

こうしたプレート電流の乱れがどうして生じるのかはわかりませんが、アンプの初段やドライブ段はまだしも、出力段の球の目覚めが悪い場合は注意が必要と思われます。正しいエージングを行っておきたいものです。

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お目覚めの悪い6AS5

グリッド電圧0Vから-6Vでプレート電流に乱れがある

-7Vから正常になっている

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同じ6AS5の二回目の計測結果

まったく異常は見られない

 

 

 

 

 6AS5 RCA No.316

 

(JF1VRR)