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14BL11 複三極五極コンパクトロン

投稿日 2015/06/24

14BL11は低μ、中μのふたつの汎用三極部とシャープカットオフ フレームグリッドの五極部で構成されたコンパクトロンです。

 

今回はふたつの三極部の特性を実測してみました。

14BL11.jpg

RCA 14BL11 複三極五極コンパクトロン

特性の異なる三極部二つと五極部をもつ複合管

14BL11_1.jpg

14BL11のピン配置は左のベース図のようになっています。中央が三極部のユニット1(GEはセクションと呼んでいますが)です。左端が三極部のユニット2です。

 

14BL11にはピン配置をミラーにした14BR11も存在します。14BR11との特性の比較は後日やってみたいと思います。

 

この球は五極部と合わせて3ユニット組み込まれているので、なかなか複雑な構造をしており、見てても飽きません。上部でヒーターがユニット間を裸のまままたがっているので、それが赤く灯り、なんとも言えない雰囲気をかもし出しています。

 

各ユニットの間(五極部と三極部の間、三極部の間)にはシールド板があり、五極部のカソードにつながれています。

 

この球を二個持っていればL/Rのアンプを担当させ、たった二球のアンプが出来上がそうです。

 

今回計測したのはRCAの球です。

14BL11_2.jpg

14BL11 複三極五極コンパクトロン 三極部ユニット1 Ep - Ip特性(実測)

 

14BL11 RCA No.124 Triode Unit1

代表値

Ep 200V Ecg -1V Ip 規格値 13.0mA 実測値 12.2mA 

Ep 250V Ecg -2V Ip 規格値 12.4mA 実測値 10.4mA

Ep 300V Ecg -3V Ip 規格値   9.2mA 実測値  8.8mA

 

三定数実測値

Ep 200V Ecg -1V rp   7460Ω  gm 7780us  μ 71

Ep 250V Ecg -2V rp 11900Ω  gm 7180us  μ 70

Ep 300V Ecg -3V rp   9620Ω  gm 6340us  μ 68

 

規格値はGEのデータシートにあるEp - Ip特性グラフから読み取ったものです。(RCAのデータシートには詳細データがなかったためGEの規格を参考にしました。

14BL11_3.jpg

14BL11 複三極五極コンパクトロン 三極部ユニット2 Ep - Ip特性(実測)

 

14BL11 RCA No.124 Triode Unit2

代表値

Ep 200V Ecg -1V Ip 規格値 31.0mA 実測値 28.7mA 

Ep 250V Ecg -4V Ip 規格値 11 0mA 実測値 10.7mA

Ep 300V Ecg -6V Ip 規格値   7.5mA 実測値  6.4mA

 

三定数実測値

Ep 200V Ecg -1V rp   5680Ω  gm 11960us  μ 46

Ep 250V Ecg -4V rp   6410Ω  gm   6760us  μ 46

Ep 300V Ecg -6V rp   8330Ω  gm   4760us  μ 42

 

 

規格値はGEのデータシートにあるEp - Ip特性グラフから読み取ったものです。(RCAのデータシートには詳細データがなかったためGEの規格を参考にしました。

 

 

ご注意

この実測データは当局所有のどのくらい使われたか分からない中古の真空管で計測されたものです。

 

ベース図はGEの真空管ハンドブックを参考にイラストレータで作画したものです。

 

 

 

14BL11 RCA  No.124

 

 

(JF1VRR)

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