FUNドライバ+VBでペンレコーダを作る

投稿日 2012/02/24

計装システムの現場では、何らかの形でデータの記録が行われています。

 

ある日の化学反応炉の温度や圧力などのデータ記録を、アナロググラフの紙記録や、デジタルでのファイル記録など、何らかの手段で記録が行われています。

 

それはあらかじめ計画されたシステム全体の一部の機能として提供されており、システム運用の一部分でもあります。

 

言い換えれば、あまり融通の効く、細かい要求に応えられるものではありません。

 

試験的なデータやいつもとは異なる場所のデータを記録するなど、さまざまな要求に、なるべく低価格で対応できるデータ記録の手段が必要です。

 

すでに稼働しているシステムの一部を改変して要求に応えるか、新たな系を特注するかは費用との相談ですが、ある程度融通の効く外付けの系を持っていると、安い費用で迅速に対応できる可能性があります。

 

そこで、今回は東京電機産業のFUNドライバとVisual Basicを使用して、ペンレコーダーを作ってみました。

 

ペンレコーダと呼んでいますが、グラフの右から左へ、タッチペン式でも記録できるので、そう呼んでいるだけで、実態はデータロガーそのものです。

 

特徴
○FUNドライバーとVisual Basicで作られているので安価
○記録対象のPLCタグは自由に設定できる
○8チャネル(8個のタグ)のデータを記録できる
○CSVファイルにデータを保存する(後でエクセルなどで解析できる)
○1秒以上のサンプリング間隔を指定できる
○PLC側からトリガをかけることができる
○開始時刻、終了時刻を指定して自動運転できる
○計測中MIN/MAX/AVRが表示される
○2つのカーソル位置の値と差を表示する
○アラーム設定ができる(アラーム値、アラームタグを設定できる)
○グラフ画面を保存できる
○グラフ描画をいつでもホールドできる
etc

 

今回は、0.47F 5.5V スーパーキャパシタの負荷 1KΩにおける放電を観測してみました。

 

使用したPLCは8チャネルの12bit A/Dコンバータ 横河電機のAD08-1Nです。

 

スーパーキャパシタに5Vをしばらく印加し、十分充電しておきます。

 

端子に1KΩの抵抗を抱かせて、A/Dコンバータにつなぎます。

 

今回はチャネル3につなぎました。

PenRecorder_1.jpg

写真1 ペンレコーダによるスーパーキャパシタの放電の記録 チャネル3のみアクティブ

 

画面から、計測時のパラメータとその値は以下のようになっています。

 

PV Val: 計測最新値 0.540V 
MAX: 計測中の最大値 5.023V
MIN: 計測中の最小値 0.540V
AVR: 計測中の平均値 2.196V
Cursor A: カーソルA(赤)位置の計測値 0.710V
Cursor B: カーソルB(青)位置の計測値 0.542V
A - B: カーソル間の差 0.168V
Act: アクティブなチャネル ch3のみ
サンプリング: 定周期 1秒間隔
サンプリング数: 1455(秒) 24分15秒
自動計測開始時刻: 22:00:00 予約せず
自動計測終了時刻: 22:20:00 予約せず
ペン色: Sienna(茶に近い色)
Ch3のタグ: D00003(型INT16) A/DコンバータのCh3のデータ
アラーム: Low/High ともにOFF
グラフX軸: 1200秒(20分)
計測停止時刻: 18:24:41
グラフY軸メイン目盛間隔: 1V
グラフY軸サブ目盛間隔: 0.2V
グラフY軸メイン目盛の色: Green(緑)
グラフY軸サブ目盛の色: LimeGreen(やや薄い緑)
グラフX軸タイトル: Time(S)
グラフY軸タイトル: (V)
グラフメインタイトル: スーパーキャパシタの放電
グラフサブタイトル: 0.47F 5.5V キャパシタ負荷 1KΩで放電
記録ファイル: LOG_20120224.csv

 

パラメータは設定画面をつくるのが面倒なので、テキストの初期化ファイル(PenRecorder.ini)を読み込むことで初期化します。上記パラメータのほとんどを設定可能です。


 

この画面では、キャパシタの端子電圧5.023V(MAX)から計測を開始し、

 

0.540V(MIN)になるまで、24分15秒(サンプリング1455秒)計測し、

 

18:24:41に計測を停止して、最後の20分間をグラフ表示しています。

 

カーソルAは180秒前に設定されており、その時点の計測値は0.710V。

 

カーソルBは10秒前に設定されており、その時点の計測値は0.542V。両者の差は0.168Vです。

 

アラームはONになっていますが、各チャネルでOFFになっています。





 

(JF1VRR)