高gm管におけるプレート電流の乱れ

投稿日 2010/11/20

6AQ8や6DJ8のような高gm管では、下のグラフの様にプレート電流が乱れることがあります。

 

あくまで推測ですが、

 

この現象は高gm管の場合、コントロールグリッド(以下Cg)が非常にカソードに近いため、常に赤熱したカソードに熱せられ、コントロールグリッドからも熱電子が放出されることが原因と思われます。

 

これはCgに電流が流れることを意味します。Cgに電流計をつなぐと現象が出なくなるので、この電流の観測は断念しました。

Ep_Ip_6AQ8_異常.jpg

高gm管では、このようにIpが乱れる
青い破線より下は正常


 

コントロールグリッドから放出された熱電子は、当然ながら高電圧が印加されているプレートに向います。電流はその逆ですからコントロールグリッドに印加されているバイアス電圧を+方向に変化させます。つまりバイアスが浅くなります。このためCgに電流が流れ始めた時点から急にプレート電流(Ip)が増加します。

 

このIpが急増する点は、青い破線のようにEg(バイアス電圧)が深くなると高いプレート電圧(Ep)で発生することになります。

 

ただ、Ipの急増は無秩序に起こるのではなく、あたかも赤い破線のようにEp-Ip特性が変化したかのように振舞うようです。

6AQ8_異常対策回路.jpg

安定化のためにCgに1KΩを入れる


 

同様な現象は7DJ8(6DJ8)でも観測されます。

 

しかし、この現象は簡単に克服できます。

 

さまざまなオーディオアンプの文献にあるように、安定化のためにCgに直列に抵抗を入れます。

 

下のグラフは1KΩを入れて計測した同管のEp-Ip特性です。

Ep_Ip_6AQ8_63.jpg

正常なEp-Ip特性曲線(6AQ8)


 

この現象は比較的バイアスの深い12BH7Aや6FQ7のような球では発生しません。これらの球はCgがカソードから適度に離れており、熱電子放出が少ないのではないかと推測されます。




 

(JF1VRR)