ヒータ電圧の特性への影響 12BH7A

投稿日 2010/10/22

12BH7Aにおけるヒータ電圧の特性への影響を計測してみました。

 

ミニチュア管のヒータ電圧(Eh)に関する仕様は、一般的にEh±10%と規定されているのが普通です。

 

12BH7Aの場合は、12.6V±10% つまり11.34V(90%)から13.86V(110%)までが使用範囲となります。

 

では、このヒータ電圧の差がどのように特性に影響するのでしょうか。

 

ここではEp-Ip特性を計測しています。

 

グラフが煩雑にならないように、コントロールグリッド電圧(Eg)は、-5V, -10V, -15V, -20Vの4点について計測しました。

ヒータ電圧の特性への影響_12BH7A.jpg

12BH7Aのヒータ電圧の特性への影響
Ep 0 - 350V Eg -5, -10, -15, -20VのEp-Ip特性が
ヒータ電圧を110%,100%, 90%, 80% 70%, 50%にしたとき、どのような影響を受けるかを見る



 

ヒータ電圧と実測ヒータ電流
  110% 13.86V  0.3455A
  100% 12.60V  0.3322A
  90% 11.34V  0.3125A
  80% 10.08V  0.2945A
  70%  8.82V  0.2742A
  50%  6.30V  0.2359A


 

ついでにヒータ電圧が10.08V(80%)、8.82V(70%)、6.3V(50%)のときの影響も計測してみました。

 

グラフを見ると、

 

いずれのヒータ電圧においても、プレート電流(Ip)に影響があるのがわかります。(たとえヒータ電圧の変化が±10%の範囲でも、プレート電流は正直に影響を受ける)

 

数値を使った表現ではありませんが、±10%(90%,100%,110%)においてはIPの変化が同じ幅ですが、

 

80%, 70%になると変化の幅が広くなり、どんどん右に寝ていくことがわかります。

 

50%になると(もはやヒータが点火しているかどうか外観ではわかりません)、飽和状態?となり、

 

カソードから熱電子を十分引き出すことができなくなるようです。


 

±10%の場合のIpの変化が、許容値内ということになりますが、

 

80%, 70%でも十分使用に耐える電流値を示しています。この程度であれば真空管の個体差や、メーカ差の範囲内と言えなくもありません。

 

ヒータ電圧と真空管の寿命との関係はわかりませんが、規定値のヒータ電圧12.6Vでヒータ電流が約0.33Aですので、4.16Wに対して、70%の8.82Vのときのヒータ電流は0.27Aですので2.38Wとなり、1.78Wの差は消費電力と真空管の寿命という観点で有利ではないかと思えてきます。



 

12BH7A B 57

 

(JF1VRR)